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【75-2 詳細】警視庁物語 行方不明(1964東映東京)監督;小西通雄
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 →【114】警視庁物語 顔のない女(1959)
 →【120】警視庁物語 遺留品なし(1959)
 →【103】警視庁物語 深夜便130列車(1960)
 →【121】警視庁物語 血液型の秘密(1959)
 →【122】警視庁物語 聞き込み(1960)
 →【136】警視庁物語 十五才の女(1961)
 →【89】警視庁物語 ウラ付け捜査(1963)
  【75】警視庁物語 行方不明(1964)


  →【76】愛情の都(1958)[即席映画狂本編]
  →【74】喜劇 男の泣きどころ(1973)[即席映画狂本編]


◆◆捜査の行方◆◆

[プロローグ]
   刑事部屋。くつろぐ昼下がり。主任・神田、課長・松本に呼ばれる。
   ※神田、カレーライス。徳衛、うどん食いながら南と将棋。須藤、立ってう
    どんを食いながらそれを眺める。堀は書類作成中、山麟は別の書類に目を
    通している。
   犬の像の鎮座する階段ホールを抜けると捜査第一課長室。
   一課長室。相談に来ている嘉。早速、段取りを付ける神田。
   (失踪した技師2人の捜査依頼。交通事故関係は既に関係なしと判明。)

[タイトル/スタッフ/キャスト/監督]
   2台の車に分乗する、6人の刑事と嘉。
   外車プリムス・サヴォイと四つ目クラウン。
   桜田門〜有楽町ガード〜三原橋電停左折〜昭和通り・江戸橋ジャンクション
   (工事中)〜上野駅正面〜浅草松屋を左に見て〜白鬚橋〜(ガスタンク)〜
   〜(川沿い)〜太平皮革正門
   クレジットトップは3人、右から南廣/今井健二/堀雄二


[1日目/12月9日(木)]
▼2日目(解決)▼
 ●太平皮革
   研究室/堀&南、須藤&山麟。
     嘉の立合いで技師・大村から聴取、手がかり捜索。(小林裕子、浮上
     須藤&山麟、カーテンから血痕らしき手がかりを発見。
     鑑識と主任・神田を本庁から呼ぶ。
     ※mio paese(ミオパエーゼ)、わがふるさと
   正門守衛所/堀が聴取。事件当時、門を出入りした者の有無はわからず。
     神田、鑑識ら到着。
   研究室/血痕と判定。床からも血液反応。殺人と仮定。
      ・学歴を鼻にかける後輩技師コヤマを日頃から嫌っていた主任技師
      マツイは、好意を抱いていたアルサロ女給・小林裕子に、コヤマと
      できていると聞かされた。当日朝、雨にも関わらず傘もささずに出
      社した後輩コヤマを見た主任マツイは、小林の家に泊まったのだろ
      うと疑い、憤慨していた。
       夜、もう一人の技師・大村の帰宅後、酔った主任マツイはコヤマ
      と再び口論となり、コヤマを殺人に到る。──という推理である。

    「部長、会議が始まってますが。」と、嘉を呼びに水上、まず登場する。
     また、濃硫酸が、原皮の脂肪分除去に使用されることが、提示される。
     (→とりあえず何か触りたがる南の癖が、事件解決のヒントになる。)
     主任・神田、遺体の捜索と、浮上した関係者への聴取を指示する。
   
 ●コヤマ技師のアパート/徳衛&今井 “ 江東区亀戸3丁目16番地”
   窓の外、高架橋?の工事中。
   管理人のおばさん・戸田春子。
   ・コヤマ技師は、一昨々日の晩は帰らなかった。
   「ハハァン、と思ってね。1人モンですからね。」
   ・それ以来帰らないので、実家にでも行ったのかと思っていた。
   今井「実家は宮崎でしたね?」
   戸田「いいえ、なんでも甲府からよく手紙が来てたようですよ。」
   
 ●マツイ技師の実家/徳衛&今井 “墨田区寺島町6丁目93番地”
   祭壇の前で、拝み屋が、盛大に何か唱えている。
   排気ガスをまき散らしてクルマがひっきりなしに通る、ほこりっぽい道路に
   面した家。縁側に腰かけた徳衛と今井。
   母親・岡村文子が、嫁の悪口をまくしたてる。
   岡村「あんな女のところに行くわけがありませんよ。嫁らしいことは何一つ
      しないんですからね。」
   ・今まで外泊したことは一度もなかった。
   ・行く先がわからないので、拝んでもらっている。
   別居中の、マツイ技師の妻の居場所を尋ねる今井。
   
 ●都寿司(「駅前通り」)/堀&南
   技師2人の口論を目撃した、出前持ち・伊藤敏孝に聴取。
   ふだんおとなしいマツイ技師が、酔って激昂していたと証言
   ・マツイ技師が、なにかコヤマ技師の秘密を糾弾していた模様。
   伊藤「『何にも知らないと思ったら、大まちがいだぞ。』なんて。」
   堀 「他に気がついたことはありませんか。何でもいいですから。」
   曽根「何でもいいてんだから、言っちゃえよ。」
   伊藤「じゃあ言うよ。あそこの守衛さん、てんでダメ。出入りを全然見てな
      いんだもの。あんな守衛、やめさせちゃったほうがいいよ。ね、刑事
      さん。」
   苦笑する堀と南。
   (この後、具体的には描かれないが、駅前にて聴取、目撃情報を得る。)

 ●ラッキーケンネル/徳衛&今井 ※別居中のマツイ技師の妻の職場
   トリマー・木村俊恵。
   木村「ちょっと待ってくださいね、このワンちゃん、時間で迎えに来るもん
      ですから。飼い主が美容室の帰りに寄るんです。」
   今井「驚きですねえ、親子揃って美容室とは。」
   徳衛「親子はおかしいだろう。」
   壁に値段表が貼られている。「洗髪800円/トリミング2000円/爪切100円
   今井/マニキュア200円」
   徳衛「トリミングってのはなんだい?」
   今井「つまりその……、犬の散髪ですよ。」
   徳衛「ワシの行く髪床じゃ、洗髪入れて150円だ。」
   今井「爪切り100円ですよ。(木村に)マニキュアもするんですか?」
   木村「ええ、爪を切ったら。」
   今井「(口を手でさえぎって)ウチのカミさんより上等だ。」
   犬にブラッシングする木村、
   「はい、おりこうちゃん。」と、今度は全身をシャンプーする。ブローをす
   ませて、
   木村「で、ご用件はなんですか?」
   ・別居当初は、マツイも会いに来たが、最近は会っていない。
   ・コヤマ技師との不仲はきいていたが、マツイ本人の性格もあって、人望が
    ないのも仕方ないと思う。

 ●7号調べ室/神田、徳衛、今井
   徳衛&今井チーム、2技師が、失踪以来、住居等に立寄った形跡のないこと
   を報告。
   神田からは、血痕は人間のものと判明した旨が説明される。

 ●[銀座]アルサロ「バカンス」/須藤&山麟
      2人の衝突の直接のきっかけとおぼしき、女給・小林裕子の聴取。
      マツイが最後に来店したのは、一昨々日。
      事件前夜、コヤマが小林といたという推理──マツイ激怒の元でもある
      ──、は、はずれる。マツイが疑った、コヤマと小林の仲は出まかせ。
      コヤマには別に恋人──同僚で「部長の彼女」──がいる、と小林の証
      言。
      ※山麟の小林への質問、ソフト。

   ジングルベルの流れる華やかな銀座の夜景に続いて、アルサロ「バカンス」
   のバックヤード。ネズミが走り抜けて行く。
   須藤「表ばっかりきれいに飾り立てて、ウラはあきれたもんだ。」
   山麟「ぜいたくと貧困が一緒になってる。
      こういうのを、アジア的二重構造って言うんですよ。」
   須藤「学があるんだねえ。」
   山麟「いやあ、ゆうべ雑誌で読んだばっかりです。」
   髪を派手にアップにした女給スミコ・小林裕子、光沢のあるドレス姿、階段
   を降りてくる。途中、飲み過ぎて吐き気をもよおした和服の女給を介抱。醜
   態に顔を見合わせる須藤と山麟。
   ・マツイ技師が最後にやって来たのは、一昨々日(事件の前日)。
   小林「あんまりしつこいから、『あたしの好きなのはコヤマさんよ』って言っ
      てやったのよ。」
   続いてコヤマ技師について尋ねると、小林曰く、コヤマ技師と会ったのは、
   半月ほど前。──これは、マツイ技師の怒りの端緒である、事件の前日にコ
   ヤマと小林が一夜をともにしたという疑惑を否定
していることになる。
   山麟「ほんとうかな?」
   小林「ほんとよォ。」
   須藤「だってキミはコヤマさんのことが好きなんだろう?」
   小林「あれはねえ──。」
   ・マツイ技師がしつこいので、断るために名前を借りただけ。
   ・コヤマ技師には、別に彼女がいる。9月頃の日曜日、デートしているとこ
   ろを小林が目撃。後日、問いつめると、実は部長の彼女だが、コヤマに気が
   ある
と本人が言っていた。
   小林「それにねェ、あたし、ダンナも子供もいるのよ、だから好きになんか
      なるわけないのよォ。」

 ●7号調べ室
   須藤「というわけで、スミコの身持ちが固いのは、従業員の聞込みからもはっ
      きりしました。」
   神田に報告する須藤&山麟、続いて堀&南、捜査を終え到着、今日の総括。
   ・血痕は人間のものと判明(神田の説明、鑑識の判定)。
   ・宮崎県警に依頼して、コヤマ技師の本籍を照会中(神田が手配)。
   ・犯行予想の1時間後、陸橋前の呑み屋の女、それらしき男を見たとの情報
    (堀)。レインコートにゴム長のずぶぬれの男、顔を隠すようにしていた。
   ・その男は陸橋を渡り駅に向ったが、駅の改札係は心当たり無し。
   ・タクシーでの逃走を考慮し、タクシー会社への手配を決め、旅館へも手配。
   ・この時点では被疑者マツイの行方と、被害者コヤマの死体の発見が課題。
   ・翌日引き続きの工場内捜索と、工場裏の川ざらいを申し合わせる。
   山麟「じゃあひとつ、はりきってやってみますか!」


[2日目/12月10日(金)] ※注意!結末明記 ▲1日目▲
 ●太平皮革
   工場裏/花沢&今井  
   巡視艇も動員して、工場裏の中川を捜索。
   今井、片足を発見、引張り上げるが……、マネキンだった。
   工場内/堀&山麟
   あちこち聞込み歩く。匂いについて初めて言及する。
   山麟「ここは、はいだ牛の皮が置いてありますから。」
   堀 「どうりで死体の匂いに似てると思った。」

 ●7号調べ室/神田、須藤、南  ※硫酸で動物が溶けるか、ネズミで実験。
   神田「気をつけてくれよ、濃硫酸がはいってるからな。上の科研から分けて
      もらって来たんだ。」
   と、ビーカーをそおっと持ってはいって来る。もう一つ、新聞紙の包みから
   は、実験用のネズミの死体。須藤が気持ち悪そうな顔で見る。
   動物が濃硫酸で溶けるか実験してみようと言うのだ。
   「科研の話では、人間なら、3、4日かかるというんだが……。」
   神田が、シッポを持って、頭からビーカーにつけてみる。
   須藤「あまり変わらないようですね。」
   そこへ宮崎県警から電話。コヤマ技師の父親がいうには、小山一郎は「日本
   化薬」に勤務しているとのこと。早速、須藤と南が、情報の確認に出かける。

 ●日本化薬の守衛所・第三研究室/須藤&南
   守衛・植田貞光が、社員名簿からコヤマイチロウを探し出し、勤める研究室
   の場所を須藤らに教える。
   研究室で現れた白衣の男・杉義一。胸に「小山」の名札をしているが、写真
   の顔とは明らかに違う。顔写真を見せると、
   「これは……、コヤマショウタじゃありませんか。」
   大学の同級生で在学中は、同じ苗字でよく間違われたというが、ショウタは、
   家庭の事情で中退した。頭のいいやつだったので、惜しいこと、と杉は述懐
   する。

 ●太平皮革
   工場敷地内/堀&山麟  死体のありからしき情報を、職長から入手。
   職長・河合弦司が、後ろから駆け寄って、刑事を呼びとめる。
   河合「刑事さんたちが捜してるのは、人間の死体だって本当ですか?」
   山麟「いえ、その……。」
   山麟が口を濁そうとするが、河合には心当たりがあるという。

 ●7号調べ室/神田、須藤、南
   須藤&南が日本化薬から戻り報告。
   ・コヤマ技師は、大学の同級生の名をかたり、太平皮革に入社したとみられ
    る。

   ネズミを入れた濃硫酸のビーカーの、液が濃い色に染まっている。南がシッ
   ポを持ってネズミを引上げる。
   南 「うわ、溶けましたね。」
   肉が崩れて、内蔵が見えている。あわてて、ネズミを手から離すと、背広
   で指をふく。
   そこに、昨夜、手配された被疑者らしき男を乗せたというタクシー運転手・
   佐藤晟也が連れて来られる。「まあどうぞ」と椅子を勧められるが、溶けた
   ネズミ入りのビーカーが目にはいってぎょっとする。
   神田が、マツイ技師、コヤマ技師、他にダミーの顔を何枚か混ぜて、顔写真
   を佐藤に見せる。
   はたして、佐藤が選んだのは、コヤマ・中村誠也であった。
   神田「(驚いて)こっち(マツイの顔)じゃありませんか?」
   佐藤「あっしの目に間違いはありませんよ。」
   ・首実検の結果、被疑者は、マツイ主任ではなく、コヤマだと判明。
   男を降ろした場所の案内を頼む。
   神田「会社の方には、こちらから言っておきますから。」
   佐藤「いいえ、あたしゃ個人タクシーですから。」
   須藤と南が、佐藤と部屋を出て行く。残された主任・神田が、感慨深そうに
   つぶやく。
   「そうか、そうだったのか……。」

 ●某所、男がタクシーを降りた場所/須藤&南  ※コヤマの足取りを追う。
   佐藤のタクシーから降りたところ、数人の作業着姿の男たちが、地面になに
   か棒のようなものを刺したり抜いたりしている。
   南 「なんですか、あれは?」
   須藤「ガス漏れの検査だよ。」
   ※冒頭の現場検証で濃硫酸のフタを開けてみたり、硫酸漬けネズミを引っ張り上げたり、ガス漏れ
    調査に興味をひかれたり、南は好奇心旺盛。このガス漏れ調査は、捜査に全く関係ない。

 ●7号調べ室/神田  
   一人、留守番の神田、堀から、死体の所在がわかりそうとの電話を受ける。
   神田は、鑑識と急行すると告げる。

 ●工場内/神田、堀、花沢、山麟、今井 ※濃硫酸タンク(回転ドラム)内に白骨
   試験中の札がかかった、木製ドラム。
   鑑識を引き連れた神田に、河合が説明する。
   ・河合は、「試験中」の自動運転中のドラムに、異変を認めた。
   ・いつもは青い液体が垂れるのに、茶色い液が垂れている。
   ・ドラムの木が腐りかけている。
   ・そこで回転を止めて、フタを開けたところ、松井技師のビニール製の名刺
    入れが浮いていた。
   羽田にイタリー人技師を迎えに行っていた、嘉と大村も駈けつける。
   神田「とにかく、硫酸を汲み出してみようじゃないか。」
   河合の指示で、濃硫酸が放出される。
   開口部から懐中電灯で照らすと、闇の中に頭蓋骨が浮かび上がった。
   一緒に発見された腕時計が、大村によりマツイのものと証言される。
   被害者がマツイ主任、被疑者がコヤマと確定的になる。

 ●某アパート/須藤&南
   周辺の聞込みでたどりついたのだろう、コヤマの潜伏先の女性宅をつきとめ
   る。アパートの主婦・山本緑が、女の部屋を案内する。外廊下のアパート。
   表札に「西田美代」。
   須藤が戸を叩くが反応がない。隣の住人、水商売らしき女・安城百合子が出
   て来て、10分くらい前に、出て行ったと話す。男女別々に、女が先に、男が
   後に。
   コヤマの顔写真を見せると、2人とも、この男がいたと証言。
   ・コヤマは、一昨々日(事件発生日)の晩から、この部屋にいた。
   ・よく見る顔ではない。普段訪れるのは中年男、おそらく女は、その愛人。
   安城「BGよ、ナントカ皮革って会社の。男は、その会社の部長さんとか──。」
   須藤「まさか、太平皮革って会社じゃ。」
   安城「そう、それよ。」
   なんと、コヤマが身を寄せた女性は、技術部長・加藤嘉の愛人の可能性が出
   て来た。

 ●太平皮革
   研究室/神田、堀
    大村が、事件朝、学歴詐称の件をマツイ主任に話したことを打ち明ける。
    そこに、須藤からの電話報告。
    ・コヤマの潜伏先が、部長・嘉の愛人宅だったと。
   技術部長室/神田  コヤマと部長愛人の密通を知らされ衝撃を受ける嘉。
     そこに当の愛人・水上竜子現れる。コヤマと逃げるため、前借りを頼
     みにきたのであった。水上は浅草の「喫茶ベル」で、コヤマと落合う
     約束という。死ぬ気のコヤマをひきとめている。
   「早く行かないと、あの人、どこかへ行ってしまうかも……。」

 ●浅草へ向う車中/神田、堀、今井
   車窓は、工場を出て中川沿いに進み、白鬚橋を渡る。
   水上から、コヤマの語った、事件のてんまつを聞く。
     (学歴詐称をばらすとマツイ主任に言われ──それは専務妹とコヤマ
      の縁談の破談、出世コース脱落を意味する──、コヤマはマツイ主
      任の首をしめてしまった。血痕は、争った際に、器具で怪我した際
      に付着したもの。その後、死体を濃硫酸入りドラムタンクに投入し
      た。

   水上は、コヤマに好意はあっても、それほど執心ではなかったと語る。
   というのも、水上には部長・嘉との関係があり、コヤマはイタリアから帰国
   後、専務の妹との縁談が進んでいたからだ。
   水上の話を聞いた今井、犯人コヤマの心情を推察して語る。
   事件直後、水上の元へ訪れたのは、好きだったからだろうと。
   それを聞いた水上も、「雨の夜に訪ねてくれた時は、本当に嬉しかった。」
   と涙目になる。
   クルマは、言問橋をくぐり隅田川左岸を、やがて雷門へ突当たって左に折れ
   る。
   水上は、コヤマの服装を問われる。
   「ねずみ(色)の霜降りのコート、カワハラのものです、ベルト付です──、
    あ、止めてください!」
   ※実際に走行する車内で撮影されているが、車窓にに映る背景を見ると、ルートは出鱈目である。

 ●浅草「片手洋食ベル」/神田、堀、花沢、山麟、今井
   水上が待合せた喫茶店。すでにコヤマはいなかった。レジ嬢が、コヤマの出
   て行った方角を指し示す。
   神田と水上は待機。4人の刑事が浅草の人ごみに散る。
   (須藤と南は、アパート張込みで不在)
   ※喫茶ベルは現存せず。雷門通り南側、2016年現在のスーパーオオゼキ敷地内、路地側。

 ●浅草六区各所
   写真を見せながら聞込みに走る刑事達。堀&山麟コンビと徳衛&今井コンビ。

 ●浅草「新世界」1階→屋上/徳衛&今井
   大勝館前の新聞スタンド、売子のおばさんが目撃証言。
   「新世界ビル」にたどりつく徳衛と今井。
   案内嬢、エレベーターガールに写真を見せ、コヤマの足どりを追いかける。
   エレベーターの中、さすがに息が切れ、疲れた表情のベテラン・徳衛。
   屋上にコヤマの背中を見つけた途端、彼は、7階建ての屋上から落下して行
   く。
   ※大勝館は、閉館後、しばらく廃墟のようであったが、2010年代に建替わり、「ドンキホーテ」に。
    新世界ビルは、解体後、場外馬券売場WINSとなる。
    新世界ビルの屋上には遊戯施設がならび、店内にはプラネタリウムの表示も見える。

 ●浅草「新世界」前路上/神田
   ひさご通りの入口の路上に、横たわるコヤマの遺体。どっと、とりかこむ野
   次馬たち。
   駆けつけた水上が、無惨な姿に目をむき、顔を覆う。
   手には水上に宛てた遺書(メモのきれはし)が握られていた。
   「学歴を詐称した時から、僕の悲劇は始まったのだ。
    人生に出世よりも、大事なものがあると知らなかった僕だ。
    美代、許しておくれ、さようなら。 小山庄太」

   花沢&今井をはじめ、他の刑事たちもやってくる。
   遺体を取囲む刑事の後ろ姿には、コヤマのアパートに張込んでいた須藤と南
   も加わって、7人そろっている。
   警官と救急車がやってきて、コヤマの遺体が救急車に乗せられる。サイレン
   を鳴らして走り去る救急車。立ち尽くし、見送る刑事たち。哀しい主題曲。
   エンドマーク「終」



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