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【166】七人の刑事 女を探がせ(1963松竹大船)監督;高橋治  →【167】 →【165】

 →【01】七人の刑事 終着駅の女(19)

 ▼捜査の行方▼ ▼キャスト▼

「希望をもって生きなくちゃいけないよ。いつかきっと、生きてて良かったと思う
時が来るからね。」
「……いいんだよ、そんなおいしいこと言ってくんなくっても、ちゃんとわかって
んだから。」


 TBSテレビの人気シリーズ、「七人の刑事」の映画化。
 メインキャストの刑事7人は、テレビ版オリジナルと同一。松竹、日活で計3本
製作されたうちの2作目。
 警視庁捜査第一課7号室の主任警部・堀雄二。以下、芦田伸介、菅原謙二、佐藤
英夫、城所英夫、美川洋一郎、天田俊明

 ゲストに高千穂ひづる、田村高広。感化院の娘に十朱幸代、香山美子、中村晃子、
青山ミチ

 3月16日朝6時、荒川河口、葛西橋近くの埋立地で若い女性の絞殺死体が発見さ
れる。
 暴行の形跡はなく、花が手向けられていた。遺留品は、男物の靴が片方だけ。
 不可解な点の多いこの事件を追ううちに、影に別の犯罪の存在が浮上してくる。
 事件に巻込まれた感化院(少年院)の娘。大人にはわからない、ナイーブな院生
たちの心がテーマの一つである。
 モテモテの菅原謙二、若いが今回鋭い推理を連発する天田俊明。
 エピローグに、おなじみのテーマ曲に乗ってやるせない仕掛けでダメ押しのエン
ディング。

 所轄署不明、「荒川河口殺人事件 特別捜査本部」
 取り調べの中村晃子に供される丼物は「天丼」、フタの下から尻尾がのぞく。
 事件現場は現・江戸川区西葛西8丁目1番辺り。当時はここから先に海が広がる。
 主な舞台(ロケ地)は、都内の他、千葉県野田、同浦安、それに横浜港大桟橋。
 感化院は荒川河口の近くという設定だが、焼失後の仮寮舎のロケ地は東海道線の
沿線である。
 タイアップでビクターのステレオと、森永乳業の乳飲料コーラス。
 犯行(殺人)日が3月15日と16日未明。解決は21日あるいはそれ以降。

 ▼被害者の手掛り
 ▼犯人の手掛り
 ▼キャスト
 ▼捜査の行方 事件経過早見表
 ▼詳細 ※執筆中

●被害者の手掛り
  女性、18,19歳前後(のちに20歳くらいと判明)。
  死亡推定日時は発見日未明の午前0:30頃。
  暴行の形跡なし
  きちんと寝かされて、頭の元には花が供えられていた

●犯人の手掛り
  湿地帯で前夜の雨で足跡なし
  犯人の遺留品と思われる革靴が片方、特徴的なデザイン

堀雄二…………“赤木主任”警視庁捜査一課、7号室主任。
芦田伸介………“沢田部長刑事”こわもて、要所で締めるセリフ。
菅原謙二………“杉山刑事”ハンサム担当
佐藤英夫………“南刑事 ”
城所英夫………“中島刑事” 十朱にトリガラ呼ばわり
美川洋一郎……“小西刑事”
天田俊明………“久保田刑事”

高千穂ひづる…ガイコウ省高木局長夫人・ユキコ
田村高広………貿易情報研究所総務部長・「村松洋一郎」、ひづるの兄

十朱幸代………感化院生カノウハナエ 詐欺の常習か、虚言癖あり
香山美子………感化院生カワモトリュウコ 「渋谷のズべ公」
中村晃子[新人]…感化院生ミヤモトカオル 売春常習、知的障害あり
青山ミチ………感化院生ヤスモトフジコ 傷害、香山の妹分、混血児

園田明弘[新人]…[浦安]香山のカレシ、香山と青山が身を寄せた
加藤嘉…………被害者の父親、野田在住
中村美代子……被害者の母親 野田在住
大杉莞児………「須田順吉」の下宿の大家
高木信夫………「須田順吉」の勤め先、米田無線の男
水上令子………感化院「光明女子学院」の先生
関千恵子………バー「夜の星」のマダム
青山宏…………バー「夜の星」のバーテン
浅茅しのぶ……番町の奥様、香山と青山が強請に出かける

土紀洋児………刑事
井上正彦………野田の巡査


 雲上の富士に松竹マーク「松竹映画」。
 おなじみのテーマ曲にのってまず刑事7人の役名と役者の名前がズラリ。
 続いて書きなぐったようなタイトル「七人の刑事」→「女を探がせ。」
 続いてスタッフ、キャスト、最後に「監督 高橋治」。
 サイレンを鳴らし急行する黒塗のトヨペットクラウンデラックス、清州橋を渡る。
 赤い房のついた棒を窓から出して、周囲の車に指示を出しながら追い抜いてゆく。
無線が殺人現場の状況を伝える。
「葛西橋下流500メートル」「17、8歳くらいの女性」「絞殺」
 埋立地の堤防上に止まる2台の車、「捜一」の腕章をつけた刑事たちが、駈け下
りてくる。

◆◆事件経過早見表◆◆ 
▲▲ページ冒頭▲▲ ▲キャスト▲

●3月15日 ★15日の状況は作中では描かれない
 犯人は、「須田順吉」を、須田の借りていた高級アパートメントで殺害。
 一方、現場付近の感化院「光明女子学院」が漏電で全焼、避難中に生徒4人脱走。
 深夜に葛西橋近くの埋立地に埋める。
 目撃した脱走中の感化院の女生徒「トミタアキコ」も絞殺。
 犯人は大型乗用車で逃走。

●16日
 トミタアキコの死体発見、捜査開始。
 死体の下着に数字があることから、付近の感化院で聞込みの結果、被害者は同院
を脱走したアキコと判明。
 アキコの他に、3名の脱走者がいるが、行方不明。犯行に関与の可能性。
 犯行当時、現場付近で大型自動車の目撃情報あり。

●17日
 被害者アキコの実家へ、手がかりなし。
 被害者と同室の十朱幸代、脱走中の生徒の立ち回り先を案内する、と城所を引っ
張り回す。
 横浜港大桟橋で、生徒の一人・中村晃子を発見。十朱は逃走。
 中村晃子は目撃者の可能性があるが、頭が弱く思い出せない。

●18日
 遺留品の靴の製造元がわかり、注文者の「須田順吉」の身元判明。
 スダは15日に無断欠勤して以来行方不明。
 家宅捜索で情婦らしい女の写真とバーのマッチを発見。 
 再び被害者の実家へ聞込みへ行った芦田と天田、寸借詐欺に現れた十朱を確保。
 十朱は、なおも逃走中の感化院生に犯行の動機は無いと主張。しかし犯行当夜、
現場に被害者とともに脱走した院生が集まる計画だったと告白。脱走中の2人が目
撃者の可能性が出て来た。重要参考人である。
 バーでの聞込み(巧妙な連係プレー)で、写真の女が「須田」の元恋人で、今は
高級官僚の令夫人と判明する。
 ※この時点では、容疑者は失踪中のスダだが、スダは運転免許を持っていない。
 捜査会議で、被害者アキコは、別の犯罪を目撃したために口封じで殺害されたの
ではないか、と推理された。

●19日
 容疑者スダの元彼女、現官僚夫人の高千穂ひづるに聞込み。
 事件当夜は、麻雀をしていたとアリバイあり。
 結婚以来会っていないと証言するが、後に写真に写った広告からひづるのウソを
導き出す。
 ※団地サイズのステレオプレーヤーの広告「ビクター」
 手帳の電話番号から、「須田」名義の高級アパートメントの存在が浮上。
 聞込みの結果、スダがひづるとの密会のために借りたと思われる部屋からは、血
痕が発見される。同時に、事件当夜、付近で大型のフォードの目撃証言。 
 ※スダは殺害されたとの推理が成立つ。
 ひづるに再度聴取すると、嘘をついた理由は、夫に浮気がバレるとまずいから、
また、スダからカネをせびられていたからだと答える。
 ひづるを尾行すると、田村高広とホテルのロビーで落ち合う。(※高広初登場
 「あと二日」と意味深な会話。
 高広の乗った大型車フォードのナンバーから高広の素性が割れる。
 高広はひづるの実兄で、ひづるの夫のおかげで出世コースに乗っている。
 ひづるの夫が怨恨で殺害したという線が濃厚になりかけたが、夫には完璧なアリ
バイあり。

●20日
 菅原は十朱から、火災のどさくさで先生のコートを盗んだ、と聞き出す。逃走中
の香山と青山は、金に困って質入れすると推理。殺人の目撃者と思われる香山と青
山の証言が欲しい。
 高広を尾行するとパスポートの交付を受け、明日のエールフランスが予約されて
いることが判明。高広が真犯人で、引き渡し条約のない外国へ高飛びを目論んでい
ると推理された。
 高広の任意聴取、高広は犯行時間のアリバイを主張。ウラはとれない。
 犯行現場での目撃証言だけが望みとなり、刑事たちは、都内の質屋へしらみつぶ
しに電話をかける。

●21日
 失踪中の香山と青山の居場所が、盗品コートの質入れ先をたどって判明。(浦安
→千代田区番町)
 事件当夜、高広がスコップを持って現れたという証言を得て、現場に急行する。
 一方、高広は予防接種を済ませ、ひづるにいとまごいをしたのち、羽田空港へ車
を飛ばす。
 葛西橋、荒川河口の犯行現場では、決定的な物的証拠の、まだ見ぬ死体を求めて、
刑事たちが埋立地の泥を掘り返す……。


  
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