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【120-2 下】警視庁物語 遺留品なし(1959)監督;村山新治  →【120】概要
 →【121】 →【119】  →【120-2 上】前篇 ▼捜査の行方[2日目]▼

 →【114】警視庁物語 顔のない女(1959)
  【120】警視庁物語 遺留品なし(1959)
 →【103】警視庁物語 深夜便130列車(1960)
 →【121】警視庁物語 血液型の秘密(1959)
 →【122】警視庁物語 聞き込み(1960)
 →【89】警視庁物語 ウラ付け捜査(1963)
 →【75】警視庁物語 行方不明(1964)
 →【136】警視庁物語 十五才の女(1961)

【キャスト】

松本克平………捜査一課長。冒頭、現場検証のみ。
神田隆…………警視庁捜査一課(号室不明)、捜査主任。冷静沈着なボス。
堀雄二…………同、部長刑事ナガタ。ポーカーフェイス。常にネクタイ着用。
花沢徳衛………同、刑事ハヤシ。温和なベテラン。キャラメルメモ。
須藤健…………同、刑事ワタナベ。
山本麟一………同、刑事カネコ。腕時計の革ベルトの下に汗対策のガーゼ。
南廣……………同、刑事ヤマムラ。堀同様常にネクタイ。谷本に吹出しそうに。
佐原広二………同、刑事タカツ。Yシャツのポケットにネクタイ、ラストはそば屋

東恵美子………被害者の親しかった同僚、電話交換手オカヤマミツエ
谷本小夜子……被害者の同僚、電話交換手イグチ  おしゃべり
成瀬昌彦………被害者と同じビルに勤める丸宏証券会社員・コヤナギ
木村功…………被害者と同じビルに勤める太陽建設社員・スガイ
長谷部健………被害者が、結婚相談所で紹介された男・池原キヨシ
八代万智子……被害者と同じビルに勤めるエレベーターガール・シノハラセツコ
藤里まゆみ……事件の第一発見者、被害者と親しい、同じアパートの主婦

殿山泰司………結婚相談所「のぞみ社」のおやじ  被害者にイケハラを紹介
星美智子………被害者アパート3号室の住人、2号さん  表札によれば田辺笑美
八名信夫………犯行時刻にアパートから逃げた不審人物、星美智子の浮気相手
杉山徳子………待合喫茶「パロマ」で、イケハラ・長谷部健と待合せだという女
古賀京子………東都医大生理学研究室の美人助手
山本緑…………丸の内ソシャルクラブのパーティで人気の活発な独身女性
片山滉…………おそらくレギュラー役の法医医師、クレジットされているが、頭の
       後ろしか映らず、判別不能。プレスシートでは、指紋課員。

   
▲ページ冒頭▲ ▲キャスト▲

◆◆捜査の行方◆◆  →[1日目]に戻る

[2日目]

 ●東都医大校庭イメージカット
 ●東都医大生理学研究室9:00すぎ  南
   待ち構えていた南が、出勤して来た研究員・古賀に再び聞く。
   ※ロングショット、傍観者的視点で声は聞こえない。後の電話で会話の内容
    がわかる、という演出。
 ●東都医大・電話ボックス  南
   南が捜査本部に電話をかける。

 ●目黒署・捜査本部
   神田「ハイこちら捜査本部、おう、ヤマムラくんか。」
   機嫌よく電話に出る捜査主任・神田、開衿シャツ。
   となりの堀は、ネクタイをきっちり締めたまま、しきりにハンカチで汗をぬ
   ぐいながら、電話の様子をきいている。

 ●東都医大・電話ボックス  南
   ・容疑者・池田は今日も出勤していない、アパートにも帰っていない。
   南は、池田の実家・茨城にこれから向かうと告げる。

 ●捜査本部
   神田「まだ犯人と決まったわけじゃないんだから、失礼のないようにな。」
   電話が終わったタイミングで、署員が、心当たりのあるというタクシー運転
   手
を連れて来る。
   颯爽とした女性の登場に、神田、
   「あなたが?」
   「都内に女性の運転手は、アタシと、あとふたりしかいないんです。」
   寿司屋の小僧が目撃した、手配の男性の状況が、一昨晩、乗せた客とそっく
   りだという。
   池田の写真を見せるが首を横に振る。
   運転手と、犯人らしき男の足どりをたどろうと、ジャケットを手に堀が出て
   行く。
   神田「ワタナベ君も行ってくれ。」
   ※運転手は、プレスシートによれば岡眞紀子、クレジットでは岡「真」紀子。

 ●“城北結婚相談所”前  徳衛、佐原
   一方、キリの結婚相談所を聞込み歩く2人。場末の店を出て来る。国電築堤
   下、ドブ川の近く。ロケ地は、高田馬場、駅の目白より。画面奥に、今はな
   き早大生のコンパ会場「海の屋」(海乃家)の看板が見える。

 ●「細面の男」のアパート前“中野”  堀、須藤
   運転手の記憶をたどり、中野の細い路地をはいって来た小型タクシー。木造
   家屋の前で止まる。
     ※大和タクシー、窓のステッカーには70円。

 ●結婚相談所“ことぶき会”前  徳衛、佐原
   住宅街の平屋、“助産婦 田中むめ”の札の隣に「結婚相談所」の札が並ぶ。
   おばあさんに送り出されて2人が出て来る。
   ※牛乳箱に、配達所が、「森永乳業目黒工場前」とあるので、中目黒近辺の
   ロケだろう。

 ●「細面の男」の勤務先“ミリオンダンス教習所”  堀、須藤
   ガードをくぐって、駅前の大通りから、右へ細い路地にはいる。下り坂の途
   中。不在だったのだろう、大家から勤務先をきいてやってきたタクシー。
   男の顔を照合するため、こわがる運転手を連れて、教室へあがる刑事達。
   受付の女性は、鏡の前でひとり、ステップの確認をしているスラリとした
   男・八名信夫を指差す。
   ※路地の入口に「ユートピアダンス教室」の看板。教室外観には「ミリオン
    ダンス教室」の看板がかかるが、壁には「topia」の文字が書かれている。

 ●捜査本部
   電話が鳴る。丸宏証券から、被害者から盗まれた投資信託が、売りに出され
   たと報告。神田は電話の相手に厚く感謝を述べ、すぐ行ってくれ、と山麟を
   指名。
   入れ替りに、八名を連れた須藤が戻って来る。

 ●アパート「清風荘」・星美智子の部屋  堀
   八名について聴取に来た堀。星は玄関前では話しづらそうで、部屋に招き入
   れる。妾宅らしく、ベッドがあり、洋酒や電化製品などの家財が、ところ狭
   しとならんでいる。
   大阪の旦那の2号・囲い者の星。八名と密会してたところに、予期せぬ旦那
   の来訪。仕方なく、八名を、窓から逃がした、というのが真相であった。
   ※寿司屋の小僧が目撃した有力な容疑者は、結局、シロであった。

 ●繁華街のイメージカット
 ●結婚相談所“のぞみ社”  徳衛、佐原  ※ついに犯人のシッポをつかむ
   マッサージ師・殿山泰司の兼業する相談所。
   徳衛「しかし、氷屋の2階とは考えたね。」
   佐原「なにがですか?」
   徳衛「少しは涼しい気がするじゃないか。」
   佐原は、たまらない、という顔で窓を開ける。
   マッサージの客を送り出して、隣の部屋から殿山が姿を現す。
   「ありましたか?」
   殿山が、カバンから弁当箱を取出して、昼食を食べながら応対する。おかず
   は缶詰。
   「ウチは、そんじょそこらのインチキ相談所とはちがいますからな。」
   佐原が「それにしては」と、2号さん希望らしき条件の登録票を指摘。
   「それだって、立派な生活権の行使でしょう?」
   被害者「坂井久子」の登録票は3つサバよんであった。そして、イケハラキ
   ヨシ
という男に紹介したことになっている。
   徳衛が、「池田達夫」ではないか、ときくが、殿山の記憶はさだかではない。
   しかも、池田の写真を見せると、「ちがうな」ときっぱり。
   「ああ、思い出した、あのお医者さんだ。なんでも、東都医大で博士号の研
   究をしていてカネがいるとか……。」
   身寄りのない娘を探していて、被害者を紹介した。登録票は後日作ると、料
   金だけ払って帰ってしまったので、住所などはわからないという。

 ●捜査本部  神田、須藤、山麟
   徳衛組からの電話で、被害者が、結婚相談所で知合った男は、イケダではな
   く、イケハラらしいことが告げられる。
   南から電話で、行き違いになった旨を伝えられるが、逆に。イケダはシロら
   しいから戻って来い、と神田。
   山麟が証券会社から戻る。投資信託を売った男は、名乗らなかったのだとい
   う。

 ●デンオンビル・屋上  堀、山麟
   やってきた堀を谷本が気づき、呼びとめる。堀が、イケダではなく、イケハ
   ラキヨシではなかったかとただす。
   「……、そうそう、イケハラさん。イケハラさんよ。」
   屋上に上がって来た東が目に留まると「あ、ミツエさん、わかったのよ。」
   「なにが?」
   「イケダさんじゃなくて、イケハラさん!」
   ぎょっとする東。
   「あたしって、記憶力いいんだから。」と得意げな谷本。
   応援に来た山麟と堀が帰ろうとすると、東が思わず声をあげる。
   「刑事さん!イケハラさんがどうかしたんですか?」

 ●捜査本部
   腰掛けた東を囲んで、刑事達が質問する。
   堀 「あのときなぜ、知らないってウソをついたんだい?」
   友人の手前、いえなかったという。
   谷本と映画の帰りに、被害者とイケハラと出会ってお茶を飲んだ後、もう被
   害者とつきあう気はないので、と交際を申込まれた、と東。
   「つまり、乗換えたってわけか。」
   「乗換えただなんてそんな!あたしたち、真剣に結婚しようと思って……。」
   東は、事件当夜、一緒に“パール座”で映画を見ていたと、容疑者イケハラの
   アリバイを主張する。
   しかし、イケハラの分の席はなく、後ろの立見席にいたというので、東には
   目の届かなかった時間があることになる。よってアリバイは成立しない。
   イケハラを信用する東に、堀は、彼がニセ医者だったと告げる。困惑する東。
   東は、研究に必要だからと、イケハラに10万円を無心されていた。堀達が聞
   込みに来る前に、有楽町、高速道路下の“パロマ”という喫茶店のレジスター
   に、そのカネを預けて来たばかりと供述する。
   そこへ徳衛が雑誌を持ってはいってくる。
   「倉庫まで行って、とってきました。」
   「サンデー毎日」の特集グラビア。サラリーマンの休日風景といったところ
   か。ここに、イケハラ・長谷部健が写っているのだ。
   促されて指し示す東。
   徳衛と一緒に行った山麟は、イケハラが投資信託を売りに行った金融会社に、
   雑誌を持って、そのまま面通しにまわっている。

 ●有楽町 高速道路(KK線)下  堀、徳衛、佐原
   地下街へおりてゆく。
 ●“待合喫茶 パロマ”  堀
   徳衛と佐原を外に待たせて、堀が、レジ係の若い女性に警察手帳を出してい
   る。
   ・東の預けた封筒は、通路にある私書箱13号に入れたので、既に取りに来た
   のかどうかは、わからない。
   ・イケハラは常連客、時に女性同伴だったが、その度に違う女性だった。
   ※レジ係は、プレスシートが正しければ、月村圭子。

 ●パロマ前  堀、徳衛、佐原
   私書箱には、封筒がまだ在るのを確認。
   堀は、佐原に私書箱の張込みを指示、徳衛と店内に戻る。

 ●そば屋“しのだ”  佐原
   佐原は、私書箱向いのそば屋にはいって、もりそばを注文。ガラス越しに張
   込む。

 ●捜査本部  神田、須藤
   画面奥にたたずむ東。
   所在なげに連絡を待つ神田と須藤が、サンデー毎日のページをめくる。
   静かな本部に、道場からあがる「ヤーッ」という声が聞こえて来る。

 ●そば屋店内  佐原
   私書箱を注視しながら、もりそばをすする佐原。

 ●パロマ店内  堀、徳衛
   卓上のアイスコーヒーをはさんで、じっと待つ中年2人。
   パナマ帽にメガネ、金貸し風に変装した徳衛、ふとメニューに目を落とすと、
   いちばん下に、格言が書いてある。
   「待てば海路の日和あり」
   少し離れた席で、思いつめた顔で、人を待っていた女・杉山徳子。レジに歩
   み寄ると、池原がきてないか、と尋ねる。
   レジ嬢は、刑事達に目をやりながら、「今日はまだ……」と答える。
   席に戻る杉山。
   徳衛が堀に、接触しようか相談するが、仲間だったら連絡されて逃げられる、
   と様子を見ることにする。

 ●捜査本部  神田、須藤、南  ※新聞に犯人の名前がスクープされる
   「とんだ貧乏くじでした。」と、南が茨城から戻る。
   夕刊が届いて、開いた神田が声をあげる。
   「読売のやつ、とんだスクープをしやがった!」
   「犯人は池原某か?」という見出しが躍る。
   南 「どっからもれたんでしょう?」
   神田「いや、彼らだって調べてるんだ。」
   この記事を見た池原が、高飛びすることを心配し、神田はあわててパロマに
   電話をかける。
   同時に別の電話機のベルが鳴り、須藤が取る。山麟から、投資信託を売りに
   来た男が、雑誌の写真と同一と確認できた、との報せ。

 ●パロマ店内  堀、徳衛
   本部からの電話を席で受ける。この喫茶店は、着信や申出があれば各席に電
   話機を貸してくれる。本部から、高飛びの可能性を指摘され、猶予がないの
   で、杉山に接触を試みる。
   「あんたも、池原さんを待ってるそうだね?」
   「はあ?」
   突然話しかけてきた徳衛に驚く杉山。
   「池原さんにカネを貸してましてね。」
   「あたし、今日中に池原さんにお金をもらわないと困るんです!」
   切羽詰まった様子の杉山に、ならば譲っても良いと徳衛。ほっとする杉山。
   「しかし、ヤツは来ますかなァ。」
   「絶対に来ます。」
   かつて池原と一緒に勤めていた杉山は、当時使い込んだカネを、明日中に弁
   済しないと訴えられる。既に30万は返したが、残りの10万を、今日持って
   こないと、池原も困ったことになるのだ。

 ●捜査本部
   神田「本当に池原のヤサ(住処)を知らないんだね。」
   力なくうなずく東。

 ●パロマ店内
   「実はアタシ、こういうもんなんですがね。」
   徳衛の差出す警察手帳に表情の凍る杉山。

 ●捜査本部
   電話が鳴る。取った神田、パロマ組の聞出した池原の住所をメモ用紙に書き
   取ると、すぐに切取って刑事達に渡す。
   「池原のヤサがわかった。緊急逮捕だ!
   飛び出して行く、山麟、須藤、南。

 ●そば屋店内  佐原
   私書箱前に怪しい男、緊張する佐原。しかし、待合せの女が現れて去って行
   く。

 ●犯人池原・長谷部健のアパート  山麟、須藤、南
   自動車で乗付ける刑事達。須藤が外で待機、山麟と南が、住人に池原・長谷
   部の部屋をきいている。

 ●パロマ店内  堀、徳衛
   堀の席に戻った徳衛、2人でおしだまる。池原が来ないか、店のドアに目を
   こらす。

 ●犯人池原・長谷部健のアパート  山麟、須藤、南  ※ついに犯人逮捕
   一瞬、息を止め、山麟、ドアに体当たり。
   荷造りする長谷部健の後ろ姿。
   「池原キヨシだな?強盗殺人容疑で逮捕する!」
   長谷部は山麟と南にカバンを投げつけ、窓から飛降りる。
   坂道を駆け下りる長谷部、追いかける刑事3人。
   反対側から登って来たトラック。
   山麟「あぶなーいッ!」
   間一髪、トラックをよけてひるんだ長谷部に、刑事達がとりついて手錠をか
   ける。

[エピローグ]  ●捜査本部 夕6:15すぎ
   薄暗い本部に電話が鳴る。
   神田「そうか。」
   電気をつけようと、スイッチに手をかけたが、悄然とした東の姿に思いとど
   まる。
   神田「もう帰っていただいて結構です。」
   全てを悟って立上がり、歩き出す東。ドアの外に、車で送るよう指示を出す。
   後ろ姿を見送ると、電気のスイッチを入れ、電話機のダイヤルを回す。外線
   だからパロマか。
   5、6、2、5、6、7。

[エンドマーク]「

  [1日目]

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 →【114】警視庁物語 顔のない女(1959)
  【120】警視庁物語 遺留品なし(1959)
 →【103】警視庁物語 深夜便130列車(1960)
 →【121】警視庁物語 血液型の秘密(1959)
 →【122】警視庁物語 聞き込み(1960)
 →【89】警視庁物語 ウラ付け捜査(1963)
 →【75】警視庁物語 行方不明(1964)
 →【136】警視庁物語 十五才の女(1961)

即席映画狂第2部【101】〜
即席映画狂第1部【100】君も出世ができる(1964)
        →【01】七人の刑事 終着駅の女(1965)

  
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