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【50】ふりむいた花嫁(1961松竹大船)監督;番匠義彰 →【51】 →【49】
浅草・駒形の老舗どじょう屋が舞台。どじょうを取りに、水郷へ。
季節は夏(から初秋)。
倍賞千恵子と山本豊三。
恋のさや当ては、中年サイド。伴淳三郎と淡島千景、ライバルが三井弘次。
桂小金治と千野赫子のアツアツコンビ、元華族の学者・大泉滉がコメディリリーフ。
▼キャスト▼ ▼舞台▼ ▼発端とあらすじ▼
花嫁役は、シリーズ初登場の倍賞千恵子。映画デビューしたばかりの20歳。
「初めて下町娘をやる」倍賞千恵子は、桑野みゆき、鰐淵晴子、岩下志麻に次ぐ
「松竹若手女優陣のホープ」と、プレスシート(宣伝資料)にある。輝かしき初の
下町娘の役を、ちゃきちゃき演じる。
相手役は、いつも気弱な青年役の山本豊三、今回は毅然としている方だ。
ストーリーの実質の主人公は、伴淳三郎。倍賞の父で、老舗どじょう料理屋の店
主だ。バーのマダム・淡島千景を、商社社長の三井弘次と、争奪戦。
出演者クレジットのトップも、伴淳三郎と淡島千景である。
舞台は下町、「どぜう隅田」。オープニングではとバスが、浅草の南の駒形に実
在する、モデルの「駒形どぜう」前に着く。
浅草近辺の設定だが、ほとんど室内シーンで、実景は、どじょう供養の場面に、
東武鉄橋と言問橋の間の隅田川左岸が出てくるくらいだ。「抱かれた花嫁」で望月
優子と日守新一が再会した場所である。
三井が社長で、豊三が勤める「フクハラ商事」は日本橋。どぜう隅田の跡取りで、
倍賞の兄の小坂一也は、「フジテレビ」で役者をやっている。
地方ロケを、「抱かれた…」同様に、水郷で行っている。問屋の卸すどじょうが
品薄で、店員総出で、どじょうすくいに出かけるのだ。
シリーズ中でも、脇役陣の活躍が目立つ作品で、レギュラーの桂小金治は、どじょ
う屋の「煮方」の職人。やきもち焼きの女中・千野赫子(ちのかくこ)とアツアツ。
スキを見ては倉庫でキスしている。このコンビが、とても楽しい。女中頭に、安定
の高橋とよ。
大泉滉は、どじょうの研究者。サンダーバードのブレインズそのもの。元男爵家
の次男坊で浮世離れしているが、伴淳は「娘・倍賞の婿に」と考えている。
そして、伴淳の恋敵、フクハラちゃんこと三井弘次が、実に三井弘次らしい役ど
ころで、スパイスをきかせる。
どぜう隅田が出すビールはキリン。結婚披露宴では、キリン、サッポロ、アサヒ
が揃う。
伴淳は意外に新し物好きか、ハイライトを吸っている。職人・小金治はパール。
若手サラリーマン豊三はピース。輸入商社らしく三井弘次は赤い缶入り洋モク、
ポールモール。淡島は、ケースに入れているので銘柄不明。そして高橋とよは何と
びっくり口付きタバコ!ということは朝日を吸っている。
倍賞が店頭に打ち水、やって来た豊三に水がかかる。これが二人の出会い。脇に
立つ本物の電柱に、今や懐かしい、赤尾敏(大日本愛国党)のアジビラが貼られて
いる。
「そら豆」
「ドジョウが見てるよ……。」
「あの面白いカッコウをした人?」
「ああ、埼玉のドジョウを千葉に入れちゃだめだよ!」
◆キャスト◆
▼舞台▼ ▼発端とあらすじ▼ ▲▲ページ冒頭▲▲
倍賞千惠子…「どぜう隅田」の娘・ハルエ
山本豊三……「フクハラ商事」社員・ナカジマカズオ
伴淳三郎……どじょう屋主人、倍賞の父・ミタ 掲出の許可証によると三田亀太郎
淡島千景……銀座のBAR“JEANNE”のマダム
三井弘次……淡島の店の上客・フクハラ、フクハラ商事社長
小坂一也……倍賞の兄、伴淳の息子、テレビ役者・シンイチ
芳村真理……小坂の仲間のCMガール、淡島の姪・キリコ
桂小金治……伴淳の店の煮方・ヨシゾウ
千野赫子……伴淳の店の女中、小金治の彼女・ミツコ
高橋とよ……伴淳の店の女中頭・おフク
大泉滉………どじょう学者・ミナミコウジ、元・男爵家
中村是好……「二番組」鳶の頭、豊三が二階借り 療養中の是好に倍賞が特別に出前
草香田鶴子…是好の女房
林家珍平……どじょうの卸業者
明智十三郎…テレビ時代劇のスター
土紀洋児……テレビ局のプロデューサー
田中晋二……小坂の役者仲間、ナイトクラブであぶれてくさる
山内幸子……小坂の役者仲間
佐藤芳秀……小坂の役者仲間
和地広幸……豊三同僚、 コタニイチロウ
後藤泰子……どじょう屋女中・トクちゃん 小金治曰く、返事だけはいいんだから
下村朱実……どじょう屋美人女中・トミちゃん、名前を呼ばれるシーンでは顔が映らない
山崎猛………ドジョウ屋の小僧
松野日出夫…淡島のバー“JEANNE”のバーテン
山吉鴻作……淡島のバーの客、店のファーストシーンの客、ゴルフの話、クレジット無
朝海日出男…淡島のバーの客、ほとんど背景、クレジット無
谷よしの……結婚式の列席者、クレジット無
水島光代……三井弘次の妻、結婚式の仲人
◆舞台設定・ロケ地◆ ▲キャスト▲ ▲ページ冒頭▲
●「どぜう隅田」
モデルは「駒形どぜう」。江戸時代の創業、はとバスの団体も利用する大きな店。
冒頭、2020年現在もそのままの店の構えに、バスが横付けされる。
三井が淡島を連れて、相撲帰りだといって立寄る。ということは、後半の設定は、
9月ということになる。
●銀座「BAR JEANNE」
淡島がマダムを勤める店。「組合の寄合」と嘘をついて、伴淳が通う。頼むのは
日本酒。カウンターに割込み、宣戦布告の三井弘次、「オールドパー、オンザロッ
ク、ダブルで。」
●日本橋「フクハラ商事」
三井の会社。営業部の社員に豊三。
●フジテレビ
河田町。小坂、芳村らがスターを目指す。「横丁の青空」というドラマの主役に、
小坂が抜擢され、好評となる。
●水郷(茨城)
店総出でどじょうを取りに。
●隅田川端
放生会・どじょう供養。東武鉄橋と言問橋の間の左岸(墨田区)。
●東京某所・小坂のアパート「清風荘」
信濃町駅の四ッ谷寄り。出羽坂下の国電中央線越しに東京タワーを望む。
▲▲ページ冒頭▲▲ ▲キャスト▲
【101】〜
【100】君も出世ができる(1964)
【99】父子草(1967)
【98】地方記者(1962)
【97】花のお江戸の法界坊(1965)
【96】童貞先生行状記(1957)
【95】駅 STATION(1981)
【94】大いなる驀進(1960)
【93】三十六人の乗客(1957)
【92】高度7000米 恐怖の四時間(1959)
【91】キングコング対ゴジラ(1962)
【90】かも(1965)
【89】警視庁物語 ウラ付け捜査(1963)
【88】拳銃0号(1959)
【87】希望の乙女(1958)
【86】旅情(1959)
【85】人間に賭けるな(1964)
【84】日本暴力列島 京阪神殺しの軍団(1975)
【83】東京湾(1962)
【82】野獣狩り(1973)
【81】ひとりぼっちの二人だが(1962)
【80】ギャング同盟(1963)
【79】明日は月給日(1952)
【78】もぐら横丁(1953)
【77】好人物の夫婦(1956)
【76】愛情の都(1958)
【75】警視庁物語 行方不明(1964)
【74】喜劇 男の泣きどころ(1973)
【73】橋(1959)
【72】東京の恋人(1952)
【71】特急三百哩(1928)
【70】アリバイ(1963)
【69】私は負けない(1966)
【68】月曜日のユカ(1964)
【67】おんなの細道 濡れた海峡(1980)
【66】続・酔いどれ博士(1966)
【65】ダニ(1965)
【64】硝子のジョニー 野獣のように見えて(1962日活)
【63】誘惑(1957)
【62】集金旅行(1957)
【61】ゴジラ(1954)
【60】閉店時間(1962)
【59】山鳩(1957)
【58】次郎長社長と石松社員(1961)
【57】サザエさんの青春(1957)
【56】背後の人(1965)
【55】重役の椅子(1958)
【54】川のある下町の話(1955)
【53】泣いて笑った花嫁(1962)
【52】はだしの花嫁(1962)
【51】のれんと花嫁(1961)
【50】ふりむいた花嫁(1961)
【49】わたしの凡てを(1954)
【48】愛人(1953)
【47】花嫁のおのろけ(1957)
【46】恋人(1951)
【45】33号車応答なし(1955)
【44】真田風雲録(1963)
【43】嵐を呼ぶ楽団(1960)
【42】サラリーマン目白三平 うちの女房(1957)
【41】人形佐七捕物帖 めくら狼(1955)
【40】流れる(1956)
【39】結婚のすべて(1958)
【38】踊りたい夜(1963)
【37】風流温泉日記(1958)
【36】喧嘩鴛鴦(1956)
【35】早射ち野郎(1961)
【34】香華(こうげ 1964)
【33】その壁を砕け(1959)
【32】おかあさん(1952)
【31】愛染かつら 総集篇(1938・39)
【30】赤い鷹(1965)
【29】人間狩り(1962)
【28】[シリーズ]事件記者(1959〜1962)
【27】地図のない町(1960)
【26】黒い画集 あるサラリーマンの証言(1960)
【25】吹けよ春風(1953)
【24】彼奴を逃すな(きゃつをにがすな 1956)
【23】我が家は楽し(1951)
【22】花ひらく娘たち(1969)
【21】麦秋(1951)
【20】浮草(1959)
【19】鉄砲玉の美学(1973)
【18】最後の切札(1960)
【17】黄色いさくらんぼ(1960)
【16】空の大怪獣 ラドン(1956)
【15】涙を、獅子のたて髪に(1962)
【14】特急にっぽん(1961)
【13】時をかける少女(1983)
【12】幸福の黄色いハンカチ(1977)
【11】お国と五平(1952東宝)
【10】可愛いめんどりが歌った(1961)/夢でありたい(1962)
【09】充たされた生活(1962)
【08】人間蒸発(1967)
【07】若い樹(1956)
【06】こだまは呼んでいる(1959)
【05】抱かれた花嫁(1957)
【04】新・事件記者 殺意の丘(1966)
【03】空かける花嫁(1959)
【02】現代っ子(1963)
【01】七人の刑事 終着駅の女(1965)
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