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 ■即席映画狂■  本稿執筆途中 2023.11.19

【201-1 上】警視庁物語 12人の刑事(1961ニュー東映東京)監督;村山新治
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【201】概要(即席映画狂) →【201-2 下】後編 →【202】 →【200】

 →【114】警視庁物語 顔のない女(1959)
 →【120】警視庁物語 遺留品なし(1959)
 →【103】警視庁物語 深夜便130列車(1960)
 →【121】警視庁物語 血液型の秘密(1960)
 →【122】警視庁物語 聞き込み(1960)
 →【136】警視庁物語 十五才の女(1961)
  【201】警視庁物語 12人の刑事(1961)
 →【89】警視庁物語 ウラ付け捜査(1963)
 →【123】警視庁物語 全国縦断捜査(1963)
 →【75】警視庁物語 行方不明(1964)

 東映東京撮影所の人気シリーズ、長谷川公之原作「警視庁物語」第17作。
 松島のホテルで女性の絞殺死体が発見される。犯人は、同宿した男と推定。
 所轄は塩釜署(宮城県警)、「松島グリーンホテル殺人事件捜査本部」。後に、
警視庁に「應援本部」が置かれ、宮城県警の大村文武と波島進が派遣される。
 迎える警視庁捜査一課、おなじみ神田隆を筆頭に、堀雄二、花沢徳衛、須藤健、
山本麟一、千葉眞一、佐原広二。
 他に、名古屋の中山昭二、三島のシーンで南廣。ここまでで11人。後の1人は、
定かでない。宣伝用のスチール写真よれば、宮城県警の主任、石島房太郎。
 現場に残された指紋に前科無し。有力な遺留品は「白浜 南海荘」と銘のある
石鹸箱。
 ロールアップするオープニングのクレジット、キャストは例によって堀雄二に
始まり、千葉眞一、大村文武,、南廣……、トメに佐久間良子。
 物語を深める事象に、プロ野球、パチンコ、留守番、そして片親。
 事件発覚から6日目にようやく解決、松島の捜査を振り出しに東京、そして名
古屋にも出張。
 クライマックスの捕物は、にぎわう夜の新橋駅前広場。

佐原「主任、ボクはまた留守番ですか?」
神田「ふふ、アタシもだよ、ハッハッ。」

 おなじみ神田隆班。今回は、警察犬像の鎮座する警視庁2階ホールに面した12
号室を捜査本部として陣取る。おそらく、日活の「事件記者」(1959山崎徳次郎)
の冒頭、山田吾一に騙されて沢本忠雄が侵入してドヤされる会議室がここ。
 留守番役の新米タカツ・佐原広二は、カネコ・山本麟一に対等の口のきき方を
するので、刑事としては山麟が先輩だが、警察学校はおそらく同期。
 土地のボス・食えない永田靖に、野球の話題で取り入るタイコモチ・須藤健、
実はアンチ巨人。4番長嶋、5番王で絶大な人気の読売ジャイアンツだが、「無
性に巨人が嫌い」というアンチ巨人の存在は当時からいるのである。
 ベテラン刑事ハヤシ・花沢徳衛は、キャラメル有り、「なーんとねえ」有り。
ゴム加工工場で、乳パッドをもてあそんで笑われるシーンの他、終盤、犯人の彼
女に、犯人に自首するよう説得する重要な役回り。
 7月頭とはいえ猛暑の中、本部に泊まり込みの続く刑事たち。神田隆も最後に
は、肌着のシャツ一丁。

波島「ハヤシさん、それ……。」
徳衛「あ、こりゃニセおっぱいか!」

 イワタデンキの工場、クレジットもセリフある岡部正純、まさかの後頭部のみ
出演。あの特徴ある出っ歯を映さない、村山監督おそるべし。



 【キャスト】   
▼舞台▼ ▲ページ冒頭▲

神田隆………警視庁捜査一課、主任
堀雄二………同、部長刑事ナガタ「長田」
花沢徳衛……同、ベテラン刑事ハヤシ「林」
須藤健………同、野球狂刑事ワタナベ「渡辺」
山本麟一……同、名古屋出身刑事カネコ「金子」、水虫容疑
千葉眞一……同、おそらくエリート若手刑事ナカガワ「中川」
佐原広二……同、留守番刑事タカツ

石島房太郎…宮城県警、課長、捜査主任
大村文武……宮城県警部長刑事オガワ「タンテイチョウ」、東京に派遣
波島進………宮城県警刑事イケモト「池本」、東京に派遣
打越正八……宮城県警の刑事「打越」、ハンチング、岡野と組んで聞込み
岡野耕作……宮城県警の刑事、打越と組んで聞込み
沖野一夫……宮城県警の刑事「沖野」、久保と組んで聞込み
久保一………宮城県警の刑事、サファリ帽、沖野と組んで聞込み
大木志朗……宮城県警の刑事、佐原広二的留守番役

中山昭二……愛知県警刑事、山麟の中学同期、べたべたの名古屋弁
南廣…………三島(静岡県)の食堂に張込む刑事アズマ「東」(黒板には神奈川県警)
関山耕司……上野署の刑事、くのやの駆け落ち番頭&女中を取り調べ

曽根晴美……「川崎一郎」、パチンコの釘師、元プロ野球二軍選手
佐久間良子…曽根の彼女・カオル、三島「宮春食堂」の娘
原泉…………曽根晴美の母「川崎キヨ」
宮園純子……被害者の妹・タニグチ「弓子」
殿山泰司……被害者の父
戸田春子……被害者の母
    ……被害者の妹の婚約者「野村芳夫」、東品川のガラス工場の息子
中村是好……曽根・原夫婦の家の近くの防犯委員、盆栽が趣味
不忍郷子……是好の妻
小川守………是好の息子・ノブヒコ、学生

愛川かおる…松島観光汽船、ガイド嬢
田中恵美子…松島観光汽船、松島桟橋の出札嬢
菅原壮男……「松島グリーンホテル」のボーイ
相馬剛三……塩釜・旅館「くの屋」の番頭、被害者を客引き
檜侑子………塩釜・旅館「くの屋」の女将
滝島孝二……千葉白浜の駐在「千葉県警千倉警察署 白浜町白浜駐在所」
小甲登枝恵…駐在・滝島の内儀、腹ボテ
永田靖………千葉白浜の旅館「南海荘」主人、大の野球好き、特に巨人ファン
谷本小代子…南海荘の元・女中キヌ、被害者とおぼしき客に遺留品の石鹸箱を進呈
小島一郎……イワタ電機工場の工員
岡部正純……イワタ電機工場の工員、まさかの後頭部からのショット
佐藤晟也……後楽園球場のビール売り子、妹が遺留品と同じ石鹸箱持って旅行中
滝謙太郎……パチンコ屋ラッキーの支配人、ポマード頭の温厚な男
小林寛………名古屋郊外のパチンコ工場の工員・アオタ
春日千里……三島「宮春食堂」の女将、カオル・佐久間良子の母
潮健児………流れ釘師・ハラヤマジロウ

   ▲ページ冒頭▲  ▼ページ末尾▼

【登場する場所】(設定・ロケ地)

松島海岸「グリーンホテル」
塩釜警察署
松島観光汽船
松島界隈(松島海岸駅、瑞巌寺・参道二高十英霊碑、ヘルスセンター、動物園・水
     族館、松島公園タクシー、海岸)
本塩釜駅(国鉄仙石線)
塩釜「久乃屋」旅館
警視庁
千葉県千倉警察署 白浜町白浜駐在所
千葉白浜「南海荘」旅館(野島埼灯台近く、実在)
イワタデンキ工場(都内某所)
後楽園球場(巨人・大洋戦)
トウキョウゴムカコウ工場(都内某所)
ガラス工場(宿帳によれば品川区東品川3-25)
被害者の自宅(おそらくガラス工場の近くか?)「スラムのようなところ」徳衛
パチンコラッキー
愛知県警
名古屋・平和公園
名古屋郊外・パチンコ工場(平和公園の先、千種区あたり)
名古屋・ストリップ「ドラゴン」(屋内)
蒲田駅
蒲田・パチンコひかり
上野警察署(屋内シーンのみ)
川崎一郎・キクの家(黒板によれば西新井、足立区)町名板に「梅田町」
川崎一郎の勤務先「阿部運輸」(黒板によれば三田、港区)前が都電通り
カオル・佐久間良子の勤務先「宮春食堂」(セリフ・黒板に三島、静岡県)
小田原付近、トラック乗り捨て現場
新橋駅前広場(街頭テレビで東映フライヤーズ対西鉄ライオンズ)

◆◆捜査の行方◆◆ ▲キャスト▲  ※捜査中、随時加筆 2023.11.17

[ニュー東映マーク(煙を吹く噴火口)] [スタッフ/キャスト/監督]
[プロローグ]
   日本三景、天橋立、安芸の宮島、そして宮城県の名勝、松島。
   年間250万人を下らない観光客は、海岸の宿に1泊すると、翌朝にはもう、
   先を急いで帰ってゆく。
   しかしここに、昼を過ぎても起きてこない泊り客。ホテルのボーイが鍵を
   開けて、毛布をかぶった客を起こそうとする。
   「おチゃくさん、おチてください。」
   反応がない客の首元に、ブラインドのひもが伸びているのを見て、ボーイ
   が驚く。

[タイトル]※「十二人」ではなく、アラビヤ数字で「警視庁物語 12人の刑事」



[1日目]7月10日 ▼2日目▼ ▲キャスト▲
 ●松島グリーンホテル客室
 7月10日昼過ぎ発覚 殺人事件
 場所;宮城県「松島グリーンホテル」の客室。
 ボーイが発見した、ベッドに横たわる遺体。
 窓のブラインドのひもが絡んでいた。
 第一発見者、ホテルのボーイ・菅原壮児

 被害者  ・28,9歳と思われる女性
 ・絞頚による窒息死。(死亡推定時刻についての言及無し)
 同宿者は、25,6歳くらいの浅黒い細面(ほそおもて)の男。
 ホテル形式で、担当女中などがいないので、詳しい様子がわからないという。
 前夜からアベックで1泊

 宿泊カードには
 ・山田一郎 25歳
 ・山田信子 28歳 名古屋市中区伊勢町1-3 前泊;仙台 後泊予定;花巻

 遺留品
 ・完全指紋3個→前科なし
 ・東京上野・「新進堂」名入りの靴ベラ
 ・東京・赤木洋品店のスタンプのあるハンカチ
 ・十三夜製紙のちり紙
 ・「白浜・南海荘」という名入り石鹸箱

【演出上の不思議】★宿帳に書かれた被害者の現住所を、愛知県警に照会した形
跡がない。

[2日目]7月11日 ▼3日目▼ ▲キャスト▲
 捜査本部設置 塩釜まつり初日、八角神輿
 塩釜署「松島グリーンホテル殺人事件捜査本部」
 捜査主任は、課長・石島房太郎
 大村文武、波島進、打越正八、岡野耕作、久保一、沖野一夫、大木史朗、以上
が私服刑事。
★ホテルの現場検証から、塩釜署のシーンにつながるので、その日のうちに本部
 が置かれたように見えるが、聞き込みシーンで「おととい」と言っていること
 からも、事件翌日である。
 遺留品の出どころの調査に並行して、刑事たちは、被害者の足取り捜査。使っ
た可能性のある交通機関や、立ち寄ったかもしれない観光地で目撃者を探すよう、
主任・石島が指示を出す。
大木「旅の捜査は長引くといいますが……。」
12人にはカウントされない大木史朗だが、他の宮城県警脇役刑事よりランク上、
セリフあり。警視庁の佐原広二同様の下っ端・留守番刑事だが、次回作から佐原
の後釜に座る。
 現場最寄りの国鉄(現JR)仙石線「松島海岸駅」、自転車の文武と波島。
 打越・岡野コンビは、瑞巌寺、動物園・水族館、松島公園タクシーへ聞込み。
 沖野・久保コンビは、ヘルスセンター、街頭写真屋の立つ海岸へ。
 「松島観光汽船」の松島桟橋で聞込みする文武。出札窓口嬢・田中恵美子から
は、被害者の写真に心当たり無し。しかし、営業所の男は、18時のチェックイン
から考えると、本塩釜からの最終便でついた可能性が高いだろうと推測。その、
当日の最終便に使われた「第七松島丸」が、今まさに接岸しているときいた文武、
桟橋で店開きする婆さんに聞込み中の波島を急かして、出航直前の観光船に飛び
乗る。
波島「タンテイチョウ、自転車が!」
 ●「第七松島丸」キャビン ガイド嬢・愛川かおる
  愛川に、名所案内のアナウンスを縫って、聞込みする文武と波島。
  1等客室の客に、被害者の女性と、男性のアベックがいたという。
  愛川「あ、ちょっとお待ちください、『右手に見えてまいりました
     のは仁王島でございます。』」






  
▲ページ冒頭▲  ▲キャスト▲

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