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2012年3月某日 ツリー馬鹿日誌

 スカイツリー音頭(仮称)を含む、ニューCDの録音中。発売は5月だけれど、
3月22日のソロライブには、カラオケに乗せて歌えるよう、進行中。
 合言葉は、馬鹿と東京。


2012年4月某日 ガレキの若大将

 被曝した瓦礫を、竹島に運んで埋立てると、韓国も手を出さなくなって、一石二
鳥ではあるまいか。


2012年4月某日 東京だよ、お塔っつぁん。

 せっかくのニューアルバムであるから、製作の様子を小出しにつづって、発売に
向けて盛上げてゆこうとの思惑も結局挫折。予定より遅くなったが、無事、印刷所
に納品されて、昨日、色校のチェックも終了。なんとか、発売日には間に合いそう
である。
 やれ安心と、ようやく映画館通いに戻れるかと思ったが、よく考えてみると、ス
カイツリー開業には間に合うが、すでに見本盤くらいなければ、宣伝上は遅いので
ある。便乗CDが雨後の竹の子のように出る中、完全に出遅れている。
 というわけで、新文芸坐の淡島千景特集も、ラピュタの東京映画株式会社特集も、
神保町のひばり・チエミ・いづみ特集も指をくわえて、悶々と事務作業の日々を過
ごす。
 月末には、出番もたてこんでいるので、その準備もある。浅草漫楽祭もある。
 まとまらないまま、うやむやに、この項も、次回へと続く。


2012年6月某日 こころのボスか

 おかげさまで、「スカイツリー音頭・決定版」は好評。売れているかどうかは別
である。新聞、雑誌等にもとりあげてもらって、これは私自身よりも、応援してく
れているファンへの贈り物。
 支援者の皆さんへ、心から、心から、心から、感謝である。
 東京、名古屋の「レコ発」CD発売記念ライブを無事終えて、大阪の落語定席
「天満天神繁昌亭」出演のため、1週間ホテル暮らし。普段の生活から隔絶されて
白けた部屋に寝起きしているけれど、事務的にも体調的にも、ぼろぼろだったのを、
リセット、リフレッシュ。繁昌亭も4回目ともなれば、気負いもなく、安定した舞
台の出来だ。ラピュタ阿佐ヶ谷の西村晃特集に通えないのが、心残り。
「どこに泊まってはりますの?」
「『にしなかじまみなみがた』です。」
長ったらしい駅の名前だが、いちいち口に出すのが楽しい。渥美清主演の1967年、
丸山誠治監督作品、「父子草」というほろりとする映画、物語の舞台は東京だけれ
ど、宝塚映画製作ということもあって、ロケ地は、駅前の新御堂筋陸橋下。阪急南
方駅などに当時の雰囲気が残っていて嬉しい。淀川河川敷が近いので、繁昌亭向け
のネタを口ならし。
「橋下市長、文化と書いてムダと読む人ですから。文楽なんか大変ですね。その点、
同じ政治家でも、小沢一郎さんなんかは文楽に理解がありそうです。好きなんです
ね、後ろから操るのが。」

 ■後日記 「父子草」のロケ地は、改めて映画を見たところ、阪急沿線には違いないものの、
  別の場所らしい。手がかりは、バックに映り込む「新阪急ホテル社員寮」なのだが……。
 ■後々日記 件のロケ地は、阪急十三と判明。神戸線をまたぐ国道176号の陸橋下。
 ■後々々日記 再検証の結果、阪急石橋が正解。箕面線とおぼしきホームの向うに「石橋住宅
  センター」の看板。
 ■後々々々日記 2019年、神戸喜楽館出演の折、古書店で、阪急石橋駅前にて、というロケ
  風景の写真を発見した。



2012年8月某日 「この娑婆にゃア悲しいことつれえこと、たくさんある。
        だが忘れるこった。忘れて日が暮れりゃア明日ンなる。」


「はい、終わりましたー。」三本立のフタ回り目、最終回のエンドマークが出ると、
余韻に浸る間もなく、ゴミ袋を手にした、信欣三に似た親父が這入ってくる。
 浅草名画座。場末を絵に描いて、さらに“汚しをかけた”ような、この映画館で
教わった。日本にはMGMのような華麗なミュージカルシーンのかわりに、東映の、
流麗なチャンバラシーンがあることを。小津安二郎の視点よりさらに低い、加藤泰
のローアングルを。時に、畳は裏返して使うことを。
 浅草に最後まで残った映画館が、老朽化を理由に、あいついで閉館する。かつて
の六区映画街の北のはずれに、つつましく営業してきた、中映グループ5館。
 ピンク映画専門の2館、浅草シネマと浅草世界館が9月中に。
 そして、浅草名画座、浅草中映劇場、浅草新劇場が10月21日限り。
「時節柄、略式ですけん。」
特にさよなら企画は行わないと云う。

「秀次郎さん。」「三上さん。」「……。」

 エンコ生まれの浅草育ち、花田秀次郎の帰る場所が消えて行く。


2012年8月某日 浅草解体新所

「誇る味覚 豊かな栄養 不二越」という看板が有名な「食堂跡」が浅草にある。
「不」と「越」の字ははがれているが、こびりついたほこりで、くっきり文字が残っ
ていた。
 私が浅草に通うようになる頃、すでに店の前は自動販売機で埋まっていたは
ずである。3階建てくらいの建物だと思われるが、よくわからない。
 空前の解体ラッシュの公園六区。大勝館、楽天地ボウル、東宝会館の陰で、小さ
なランドマークの解体が始まった。奥に当時のメニューが貼られている。そして、
外された看板の下から「五十番遊技場」という別の看板が露出している。
 一足先に解体されたROX3(旧常盤座・東京クラブ)の向かい側。今時珍しく
簡単なフェンスで囲われ、一見、忍び込もうとすれば簡単に這入れる状況だが、見
えないバリアが張られている。廃墟の中から、数十年分のすえた匂いが、夕暮れの
街に流出しているのだった。

 ■後日記 写真を発掘。3階建てではなく、2階建てであろう。屋根裏はあるかもしれない。
      おそらくパチンコ屋、あるいはスマートボールと思われる。。


2012年9月某日 一見意味深だが、竹島紀元さん、それは鉄道ジャーナル

 韓国、中国との関係修復をどうするか。今、修復と云えばこの人、スペインの、
セシリア・ヒメネスお婆ちゃん。歴史的なことにおかまいなく、過去を塗りつぶし
てくれる。輪郭をぼかし、見る人の肩の力を抜いて、怒りはどこかに。
 加えて、流行りのご当地ゆるキャラ制定。「せんかくん」に「タケシマン」。

 ■後日記 ネット検索してみたら、とっくに書かれてました、「せんかくん」と「タケシマン。」


2012年10月某日 「私の夢は景気回復です!」

 公約って言うから、実現しないと腹が立つ。夢って言ってくれればいいのだ。


2012年10月某日 サヨナラサヨナラ、サヨナラ

「羽田ならいいよォ。」犬塚弘の運転するタクシーが走り出す。
 物語にオチが着いて、シリーズ最終作の映画もエピローグにかかる。
 スクリーンには正月の諏訪家、こたつにあたるおなじみの夫婦。
 夫、年賀状の返事を書き終え、

博(前田吟)「今日はもう客も来ないし、何にもすることはないな、
       さくら、もち食ったら映画、観に行くか?。」
さくら(倍賞千恵子)「ああ、いいわね、そうしよ。」
博「えっと……、(新聞を取りに立上がり)
  浅草で何やってんのかな……。」

 そのセリフに、観客一同、感無量である。浅草から映画館の消える日、3本立2
回り目の最終回「男はつらいよ寅次郎紅の花」。満席とはいかないが、よく這入っ
た客席、終始、笑いのうちに、迎えるラストシーンは、震災1年後の神戸長田区。
 病をおして出演する渥美清、寅さん最後の姿と知っているから、余計に切ない。
山本直純のテーマ曲とともにカメラがひいてゆく、仮設店鋪の立ち始めた街の俯瞰、
終マーク。
 予想通り巻き起こる拍手、老劇場へのはなむけ。私は「してやるもんか」と上映
前に決めていたからしなかったけれど……。
 浅草名画座は、さしたるセレモニーもないかわりに、ラインナップが「仁義なき
戦い完結編」「昭和残侠伝破れ傘」と寅さん第48作の、最終話特集であった。
 劇場前に立並んだ報道陣のフラッシュの中、観客が出てゆく先は、まだ8時半だ
と云うのに廃虚のような六区興行街の暗闇。ほどなく、隣の浅草中映も終映。
♪吹いた口笛、夜霧に溶けて……、これにて一巻の終わりであります。


2012年11月某日 サラリーマンが気楽な稼業だったころ

 サラリーマンの国、新橋。
 東宝スコープで植木等や人見明が躍動した世界が未だに生きている、それが新橋
駅前ビル。地下の食堂街で、ネクタイもしていない私は場違いだけれど、テーマパー
クにいる気分。
 パーラーキムラヤは、ビル創業時から、いや建築中から関わっているという古い
喫茶店である。商談をする煙草の煙と熱帯魚の水槽の向う、厨房で炒め物をする音
は私の注文だ。
 ウェイトレス姿が様になる――大映の小笠原まり子の系統――店員が運んできた
のは、「チキンライス」650円。
 ケチャップで炒めたチキンライスにスクランブルエッグをのせて、その上ケチャッ
プが塗ってある。人によっては、御飯にまぶしたグリーンピースに、ぐっとくるか
もしれない。
 ほぼオムライスだが、あくまで玉子はサービスなのだろう。
 有線放送から流れる洋楽をバックに、幸せな食事。食に対する執着のあまりない
私にも、わざわざ行く店はあるのだ。
 白髪のおかみさんと息子さん、朝から晩までやっている。

 ■後日記 チキンライスは、自家製ではなく「業務用」、レトルトらしい。


2012年12月某日 電車に乗る時の楽しみは、「銀座カラー」の額面広告

 都知事選の中吊りポスター、AKB48、誰への訴求を狙っているやら。彼女達
は、カネで票を買われた面々である。

 赤坂見附、弁慶濠、緑の藻の上に白鷺1羽。ぴゅーっと白い粗相。とたんに、ぶ
るぶるっと震えていた。羽毛を羽織っていても、我々と一緒だ。

「日本を取り戻せ。」……消えた年金を取戻せ。「最後の一人まで」って覚えてな
いのだろう。

 冬晴れの青空に燃えて輝くいちょうは気持ちいい。我が庵のすぐ先に、故大平元
総理ゆかりのいちょうの大木がある。
 ところが、落葉掃除が面倒なんだろう。色付く前に早々と枝を打ってしまった。
老いたピエロは、手品どころか、手も足もでないだるまさんだ。情けない。


2012年12月某日 ソロライブ御来場御礼申上候

 途中で紹介した、小沢昭一さんが弁士を務める映画「吹けば飛ぶよな男だが」、
公開中でした。
 12月22日(土)まで、銀座シネパトス。12:05/15:30/18:55
 ありきたりの表現をすると、哀しくて、切なくて、情けなくて、笑ってしまう。
ちょっと痛い(比喩ではない)。「続・男はつらいよ」との二本立という味な番組
である。ちょっとした見所が、ちらりと映る解体寸前の神戸タワー。
 取急ぎ。



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