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【89】警視庁物語 ウラ付け捜査(1963東映東京)監督;佐藤肇  →【90】 →【88】

 →【114】警視庁物語 顔のない女(1959)
 →【120】警視庁物語 遺留品なし(1959)
 →【103】警視庁物語 深夜便130列車(1960)
 →【121】警視庁物語 血液型の秘密(1959)
 →【122】警視庁物語 聞き込み(1960)
  【89】警視庁物語 ウラ付け捜査(1963)
 →【75】警視庁物語 行方不明(1964)
 →【136】警視庁物語 十五才の女(1961)

 東映東京撮影所の人気シリーズ、長谷川公之原作「警視庁物語」第20作。
 事件は、迷宮入りしていた、北多摩郡のオートレース場裏の空井戸で発見された
 死体遺棄事件。
 警視庁捜査一課7号室の主任警部・神田隆。彼の率いる6名の刑事たち。
 堀雄二、花沢徳衛、須藤健、山本麟一、南廣、大木史朗。
 都区内で関係するのは、浅草、谷中、日暮里。但し、ロケシーンは少ない。
 クライマックスは雪の舞う新潟県は小千谷。旧片貝町と高の井酒造。
 中心人物は、井川比佐志堀雄二。ヒロインなし。
 いつも以上に顔色を変えない堀が、しかし、執念を燃やす。


神田隆…………7号室主任。プレスシートによれば、戸川警部。下着の落書。
堀雄二…………ナガタ刑事。同、長田部長刑事。ポーカーフェイス。今回の中心。
花沢徳衛………林刑事。「アタシみたいに戦前から捜査課でメシを食ってるとね」
須藤健…………渡辺刑事。「ごめんちゃい。」
山本麟一………カネコ刑事。柔道着、タバコメモ
南廣……………北川刑事。「それはですね……。」
大木史朗………刑事。本作中、7号室の外のシーンなし。

井川比佐志……浅草署に留置中の男・川村正直。迷宮入り事件の犯人だと申し出る。
潮健児…………世田ヶ谷署に強盗殺人未遂で逮捕された男・カツ兄貴。
岸輝子…………[小千谷]迷宮入り事件の被害者ユキ、の母  ズーズー弁
今井健二………[小千谷]高の井酒造の若旦那ヨシジマ  標準語
石島房太郎……世田ヶ谷署捜査係長アカギ
八代万智子……美容師、木村もと子  雷門近く「ナナ美容院」
杉義一…………日暮里の雀荘「南北荘」の用心棒
小林裕子………杉の情婦、キヌコ
沢村貞子………台東区のアパート「希望荘」管理人  「お土産いらないわよ。」
藤山竜一………浅草の質屋「金多丸」 「35年の6月ちゅうと、所得倍増なんて……。」
山本緑…………谷中の質屋「かぎ屋」 「シナブレでざんすか。」
相馬剛三………[小千谷]駐在  ズーズー弁
滝沢昭…………浅草署留置場の看守
八百原寿子……八代のナナ美容院、電話を取次ぐ助手
木村梢…………浅草ひさご通りの中華ソバ屋「張福来」の小女
月村圭子………[小千谷]今井の妻、高の井酒造専務夫人

※清見淳/菅沼正/山之内修


◆◆捜査の行方◆◆ ★結末明記 ▼2日目▼ ▼3日目(犯人判明)▼

[プロローグ]荒磯の東映マークに続いて
   深夜の留置場。卓上時計の針は2時17分。
   突如、静寂を破る、男の叫び声。うなされているようだ
   「許してくれーっ!」
   看守が駆け寄り、静かにしろというが、おさまらない。
   オーバラップする[タイトル]
[スタッフ/キャスト/監督]
   音楽は菊池俊輔、時代劇調の暗く重めの主題曲。
   警視庁玄関、朝の出勤風景。ロングショット。
   エントランスホールには、観賞魚の水槽。
   捜査課の小部屋が並ぶ、庁内廊下。コート姿の堀雄二と南廣やってくる。
   南、扉を開け、堀を通して自分も続く。
   クレジットトップは、南廣/堀雄二(右から)。
   二枚目に、今井健二/井川比佐志/小林裕子/八代万智子。

[1日目]
 ●捜査第一課7号室
     部屋の奥に主任・神田。壁際に柔道着姿で牛乳とパンを食べている山麟。
     「ヒガイデンポウです。」
     徳衛から報告書を受取りながら、横に腰掛ける堀、「寒いねえ。」
     「冷えますねえ。」とお茶をすすりながら答える徳衛。
     すかさず、新米刑事らしい大木、堀にも茶を差出す。
     腰掛けるなり新聞を開く南。徳衛「何か出てるの?」
     出がけに読めず、電車内も混雑で読めなくてとぼやきながら、有力容疑者
     浮かぶの見出しを読み上げる南。
     神田「世田谷の強盗殺人事件未遂のことか?」奥の主任・神田が振返る。
     徳衛「たしか盗品のキャメラのナンバーから足がついたんでしたね。」
     そこに神田の机の電話が鳴る。神田の応対によると浅草署の捜査係から
     だ。
     仕業のベルが鳴る中、須藤、が駆け込んで来る。
     須藤「いやあ、あぶないあぶない、滑り込みセーフってとこだな。」
     大木「ゆうべ、コレですか?」と酒を飲む仕草。
     須藤「それを言われるとよわいねえ。」
     一同の笑い声が狭い部屋にこだまするが、奥では電話が続いていて、神
     田が迷惑そうに会話に一呼吸置く。
     
 ●浅草署捜査係
     電話の主の係長によれば、無銭飲食で留置した男が、一昨々年の迷宮入
     り事件の犯人だと自供したという。若干、要領を得ないフシもあるが。
     そこで、事件を担当した神田達に一報を入れたのだ。

 ●7号室
   堀が電話のやり取りに反応する。
   「さきおととしの迷宮入り事件というと、オートレース場裏の空井戸の腐乱
    死体
の?」
   大木以外は携わった事件らしく、みな感慨深そうである。
   山麟「若い女の扼殺死体でしたね。」
   徳衛「7月の暑いときだったなあ。」
   堀 「顔があんなに腐敗してなければ、身元は割れてたはずなんだ。」
   神田「55日目に打切りになったんだっけなあ。」
   須藤「雷が鳴るどしゃぶりの日でしたねえ、主任さんから打切りと聞いたと
      きには、悔しいやら、ホトケにすまないないやらで。」
   堀と南が浅草署へ派遣される。
   大木「捜査記録を見て行かれますか?」
   堀 「あの事件なら、ここ(頭の中)に全部叩きこんであるよ。」
   見送った徳衛、
   「ナガタさん、仇が見つかったようなハリキリようでしたね。」
   「捜査本部を解散することになった時も、最後までたてついたもんなあ。」
   と神田。

 ●浅草署  堀、南
   黒塗りの警察車、「淺草警察署」に到着。
   「捜査係」の部屋、係長の菅沼正(プレスシート参考)が迎える。
   「早かったですね、まあどうぞ。」
   腰掛けることを促すが、堀は立ったまま、容疑者の身元について尋ねる。
   ・カワムラマサナオ、25歳。窃盗で前科4犯、17歳の時に鑑別所送り。

 ●7号室
   卓上に広げられた、現場の写真。
   大木が、「これは……。」と、遺体の写真に顔をしかめる。
   山麟が、当時の捜査記録を読上げる。
   ・発生日時、昭和35年7月7、8日頃(※記録簿表紙には7月17日発生とある)
   ・北多摩オートレース場裏の空井戸で発見、死後約3週間、扼殺と見られる。
   ・20歳くらいの女性、身長151センチ、体重42キロ。
   ・暴行の形跡なし、妊娠経験なし。
   ・右の側頭部に古傷。
   徳衛が、被害者の下着(シミーズとパンティ)の資料写真を、懐かしそうに
   見つける。手がかりがこれだけだったので、これを持って聞込みに。その写
   真でポスターを3000枚刷った、と神田。

 ●浅草署取調室
   椅子に腰かけた容疑者カワムラマサナオの背中が、右下からアオリ気味に映
   り、画面左手に南、奥に堀の正面。堀は腕組みをしたまま、表情を変えず、
   じっとカワムラ(井川)から視線をはずさない。
   堀 「名前は?」
   井川「マサナオです、マサナオは正直って書くんだけんど……。」
   ・殺害したのは、さきおととしの7月7日、七夕の晩。
   ・被害者の名前はユキ、苗字は知らない。
   ・ユキとは六区で知合った。もともと、ノビ(窃盗)仲間のカツ兄貴のス
    ケ
(女)。付き合って3、4ヶ月。
   ・心中するするつもりだったが、ユキが苦しむのを見て自身は思いとどまる。
   ・死にたくなった理由は「なんとなく」。
   ・衣服はアシがつかないように、はぎとって隅田川に遺棄。
   途中で徳衛がやって来て、部屋の外で南に、封筒を手渡す。
   南は堀の聴取に割込んで、何枚かの下着の写真を見せ、当時のユキの下着を
   選ばせるが、外れる。
   その他、背が低かったことは言い当てたが、頭の傷には覚えがなかった。
   オートレース場の事件の犯人の確証が今ひとつつかめない。何か他の事件へ
   の関与を隠しているのではないか、南が強い口調でただす。
   南 「なんかもっと別ののヤマをふんでるんじゃないのか!」
   井川「やってません!」
   ここで初めて、カワムラの顔が正面からカメラでとらえられ、はっきりと
   井川比佐志とわかる。
   ユキという女の存在証明を求められた井川は、質屋に盗品を売りに行かせた、
   と証言。
   ・浅草松屋裏、カネタ。スイス製の腕時計とライカ(カメラ)。6月中頃。
   ・谷中、カギヤ。真珠の首飾り。カネタ質入れの1週間ほど前。

 ●浅草松屋裏「金多丸質店」
   自動車から降りた徳衛、店にはいる。腕時計を請け出したと思しき初老の男
   性、そそくさと出て行く。警察手帳を示して聞込み。
   メガネをかけた関西訛りのの店主・藤山竜一。いかにもアキンド。

 ●谷中「かぎ屋質店」  南
   「警視庁の者ですが。」
   「品触れ(しなぶれ)でざんすか?」
   南の訪問に、応対する上品な女性店主・山本緑。メガネ、和装。
   質入れには、必ず、「お米の通帳(米穀通帳)」か身分証明証の提示を求め
   るので、客の住所はわかると、山本。

 ●浅草松屋裏「金多丸質店」  徳衛
   藤山「昭和35年の6月言うたら、ちょうど所得倍増なんて声が聞かれだした
      頃でしたなあ。」
   徳衛「(台帳をめくりながら)そう、安保騒ぎも一段落して、池田内閣が発
      足した頃だ。」
   藤山「池田さんも威勢が良かったのは初めのうちだけで、さっぱり景気は良
      うなりまへんな、おかげさんで、我々の商いは、繁昌させてもろてま
      す。」

 ●谷中「かぎ屋質店」  南
   山本「ありましたか?」
   台帳をめくる南に、お茶と饅頭を出す。「おかまいなく」と南。
   6月中に真珠の首飾りを預けた2人の女性について店主・山本に尋ねるが、
   馴染みではないという。どちらも名前はユキではない。
   そこに、徳衛から電話がかかる。

 ●浅草松屋裏「金多丸質店」  徳衛
   名前はユキではないが、ライカと腕時計を一緒に預けた女がいた、と、電話
   で南に告げる徳衛。
   徳衛「名前は、キムラモトコって言うんだがね……、え?そっちにもキムラ
   モトコって名前がある?


 ●7号室
   コーヒーの出前、三角巾を頭に載せた可愛らしいウエイトレスが、カップに
   コーヒーを注いでいる。堀たちの聴取の連絡を待ちくたびれている。
   山麟「暇どっているのは、ユキって名前が見つからないからじゃないですか
      ね。」
   須藤は、ガセではないかと推測。ようやく、電話が鳴って徳衛からの報告。

    ※黒板に、聞込みの担当が書かれているが、「1. 浅草、谷中 林、北川」はいいとして、
     「2. 日暮里 渡辺、北川」とあるのは翌日のことで、明らかに勇み足。

 ●浅草松屋裏「金多丸質店」  徳衛
   徳衛がひじをついて受話器を握り、電話で話す。
   ・キムラモトコという共通の女。住所は台東区の希望荘、これから向かう。

    ※徳衛は「ダイトウク」と発音している。今でも、そう発音する地元民がいる。

 ●台東区のアパート「希望荘」
   繁華街の電車のガード近く。
   頭にカーラーを巻いた管理人・沢村貞子に、徳衛と南が尋ねる。
   ・「キムラモトコ」は、1週間ほど前まで住んでいたが、結婚を機に引越し。
   ・背は高い方。
   ・新居は本郷の方だが、勤め先が、浅草雷門近くのナナという美容院
   沢村「(背が高いので)毎年、ミスに応募しろって言ってたんですけど……、
      もうダメだわね。
      もっとも、
      去年、人妻なのにウソついてミスになったのがいたけど。ああいうの
      は罪にならないんですかね?刑事さん。」

    ※沢村は、廊下にはみ出たタライを直したり、出かけるカップルに「お土産いらないわよ。」
     と声をかけたり、例によって芝居が細かい。

 ●7号室
   神田が、徳衛たちの報告を元に、鉛筆でメモ用紙に略図を描いている。
   ・キムラモトコの店に行ったが、新婚旅行に出ていて、今日遅くに帰る。
   徳衛「木村もと子って名前を両方に見つけた時は、ユキの本名だと思ったん
      ですがねえ……。」
   須藤「カワムラを、もう一度、タタいてみましょうか?」
   そこに世田ヶ谷署の捜査係から電話がかかる。大木が神田に取次ぐ。
   「やァ、アカギくんか、なんだい?」

 ●浅草署捜査係
   神田以上に温厚な初老の捜査係長・石島房太郎が、神田と親し気に話す。
   石島「例の強殺未遂の犯人な、朝刊に名前が出たんでヒヤヒヤしてたんだが、
      さっきウマイことパクったんだ。」
   ・その強殺未遂の犯人が、主犯は浅草で留置中の井川と自供した。

 ●7号室
   神田「そうか、それでわざわざ教えてくれたってわけだな。忙しいのにどう
      もありがとう。」
   電話を切る。井川の一連の証言はガセではないか、と空気が傾く。
   須藤「うなされたのは、世田谷の事件の良心の呵責ってやつだな。」
   堀 「もう一度、カワムラにあたってみましょう。」
   神田「じゃあ今度はワタナベくんとな。」
   
 ●浅草署取調室  堀、須藤
   須藤「ゆうべうなされて叫んだのは、ユキのせいかい?」
   井川「そうです。」
   堀 「(ドスの利いた口調で)そうじゃないだろ。」
   井川「え?」
   須藤「世田谷の事件のせいだろう?」
   世田谷の強盗殺人未遂、逮捕されたヨシモトカツキチが、井川が主犯と供述
   していると告げる。
   井川「カツ兄貴が?」
   堀 「なに?カツ兄貴?っていうと、ノビ仲間の?」
   井川は、
   ・主犯は、カツキチ。自分は、カツキチが首を絞めるのを見ていただけ。
   と強く反論する。
   井川「ウソだと思ったら、(被害者の)奥さんに面通ししてもらってもいい。」
   堀 「じゃあ、オートレース場の殺人は?」
   井川「(悄然と)あれは……、オレがやりました……。」
   ・当時、ノビ(窃盗)で暮らしていた井川、稼いできた後、決まってカツ兄貴
    が、カツアゲに来てピンハネするので、ユキが通じてると疑い、問いただ
    すために、オートレース場に誘い出した。問い詰めるとふてくされて殴り
    合いになり、ついに付近のワラ小屋で、首を絞め、殺してしまった。
   ・世田谷で首を絞められて苦しむ被害者の顔を見て、ユキの苦しむ姿を思い
    出し、以来、夢に出て来るユキにうなされるようになった。

 ●7号室
   神田「お化けの出方も筋道が通ってるなあ。
   浅草署から戻った堀と須藤を交えて、井川の供述の信憑性を検討する7人の
   刑事。
   南は、世田谷の強殺未遂を隠すための嘘だと主張。下着選びを間違えたこと
   や、頭の傷を知らなかったことが根拠。
   大木「名前を知らなかったっていうのもどうでしょうね?」
   神田「デッチあげてるっていうのか。」
   「それはですね」と、再び南が持論を展開する。
   ・留置場で叫んで、何かの事件関与の疑惑をかけられた井川が、世田谷の事
    件を隠すため、とっさに、新聞などでよく覚えていた、オートレース場の
    事件を自供。ユキというあいまいな名前だけでは捜査も難しいし、もし送
    検されても、いざ裁判では自白を強要されたと訴えて、あわよくば刑事補
    償金を「たんまり」せしめる気ではないか、と推測する。
   神田「カワムラは、そんな小才のきくヤツかね?」
   堀 「そういうタマには見えませんがねえ……。」
   徳衛「マエ(前科)を重ねたヤツには、オトボケの名人がいますからね。」
   神田は、世田ヶ谷署から「井川を取調べたいので、身柄を渡してもらっても
   良いか」と言ってきていると話す。
   須藤「となると、こっちとしても、態度を決めないといけませんね。」
   山麟「今晩、ボクを浅草の留置場へやらせてもらえませんか?」
   「俺も行こう」と、堀が同行を志願。

    ※南の推察中、神田は手がかりを記したメモに、下着の絵を書出す。フリル付き。

 ●深夜の浅草署留置場  堀、山麟
   午前2時過ぎ、前夜と同様、うなされて叫ぶ井川。
   金網越し、堀たちに、金網をつかみながら
   「刑事さん、ここから出してくれ、指輪のことも話すから。」と、必死の形
   相。
   堀 「指輪?」
   看守・滝沢昭、鍵を開けて、房から井川を連れ出す。

 ●深夜の浅草署取調室  堀、山麟
   腕木の両側にライトのついた特製のダブル電気スタンド。井川の顔に強く光
   が当る。
   ・ユキが大事にしていた「金ピカの」18金の指輪。殺害後に、これを浅草
    ひさご通りのチョウフクライという中華ソバ屋の出前持ち、ミドリにあげ
    た。
   ・昨日それを言わなかったのは、ユキがあまりにその指輪を大事にしていた
    ので、気がひけたから。
   その指輪のことを、夢の中でユキは糾弾し、のしかかってくるという。
   疲れきった井川が懇願する。
   井川「刑事さん、早く俺を処分してください。」
   堀 「(相変わらず無表情に)そういうわけにはいかないんだよ。」
   井川「(面食らったように)へ?」
   ユキという女が確かに存在した証拠が必要だと、堀が答える。
   井川「それならカツ兄貴にきいてもらえば……。」
   堀 「そうか、ヨシモトカツキチにか。」

[2日目]  ▲プロローグ▲ ▼3日目(犯人判明)▼
 ●世田ヶ谷警察署
   主任・神田、直々に世田ヶ谷署に乗込む。

 ●浅草ひさご通り入口「張福来」  須藤、南
   店の前、掃除をしている中華ソバ屋の店員・木村梢に聞込み。
   ・ミドリという女は、木村が勤める前に、店にいた。

 ●世田ヶ谷警察署捜査係  神田
   「ユキ?」
   刑事たちに囲まれた容疑者・潮健児。ユキについて尋問されている。悪びれ
   ずに飄々とした受け答え。
   潮 「六区で拾ったんですがね、カワムラのヤツに惚れてたみたいなんで譲っ
      てやりました。」
   ・その後のユキについては、潮は服役していたので知らない。
   井川とは10日前に、ドヤで再会し、世田谷の強殺未遂に及んだが、その時、
   ユキについてきかなかったのかと問われ、
   潮 「昔のスケを尋ねるほど、女にかつえちゃ(餓えちゃ)いませんからね。」
   ユキの苗字は、やはり知らないという。
   潮 「あんまり、自分のことを言いたがらない女でしたからねえ。
      それに、名前なんか知らなくても女は抱けますからね。
   石島「そんなもんかい?
   潮 「ええ、そういうもんスよ。
   一同爆笑。(映画館内も一緒に爆笑。)
   神田「じゃあ、その頃からユキは浅草をタマリにしてたわけだな。」
   潮 「ええ、なんでも、美容室で『女中みたいなこと』をしてるって硬そう
      なことを言ってましたがね。
      でも、だいぶ荒れた感じだったんで、コナかけてみたら、案の定、オ
      ボコじゃねえでしたよ。」
   神田「どこの美容院だい?」
   潮 「さあ……?ガセじゃなかったかと思いますがね。」

    ※ここで、神田はユキの体の特徴、頭の傷を尋ねそうなものだが、きかなかった。

 ●浅草雷門前  イメージカット
 ●“ナナ美容院”  徳衛、山麟
   美容師「木村もと子」・八代万智子に、質入れの件を尋ねる。
   八代「(おっとりと)あたしまだ、質屋さんには……。」
   山麟「そうですかァ?(八代の顔が曇って)……いや、そうですよね。」
   助手・八百原寿子が、刑事宛に電話だと呼びに来て、山麟が奥に引っ込む。
   誰かが、「木村」の名前をかたって質入れをしたのでは、と、徳衛が心当た
   りを尋ねる。
   八代「さあ……、でもそういうのってお米の通帳とかいるんでしょ?」
   徳衛「ですから、そういうものを持出せそうな親しいヒトは?」
   戻って来た山麟が、電話で聞いた、主任・神田からの情報を伝える。
   山麟「35年頃に、ユキさんって20歳くらいのお手伝いさんがいませんでした
      か?」
   八代「ええ、いましたけど。」
   失恋して上京したユキを不憫に思い、親しくした八代、部屋にも何度か遊び
   に来たという。
   どうやら、ユキが、名前をかたって質入れをしたらしいときき、困惑する八
   代。
   ・ユキは、一昨々年の正月過ぎに、慕って上京した男性に冷たくされてから、
    生活が荒れだした。
   ・ユキの実家は知らないが、詳しい素性は「センセイ」にきけばわかるだろ
    う。

 ●7号室
   戻る神田。迎える堀と大木。大木が神田の脱ぐコートをすかさず受取る。
   堀がメモを見ながら、須藤たちの報告を神田に伝える。
   ・井川が、ユキの指輪を贈ったというミドリは、日暮里の麻雀屋で、その用
    心棒のような男と暮らしている。

   神田「ミドリって女と18金の指輪の行方がわかれば、捜査が一歩前進する
      んだがな。」
   徳衛から電話がかかり、美容院の聞込み報告。
   ユキの姓名はキノシタユキ。区役所の国民年金係の職員の紹介だったという
   ので、そこに確認に行くと告げる。

 ●日暮里駄菓子問屋街「麻雀南北荘」  須藤、南
   日暮里駅前広場を突っ切って、井川が指輪をあげたというミドリの居所の雀
   荘を探しに行く。
   子供にぶつかりそうになる須藤、「ごめんちゃい。
   問屋街の狭い通路に面した「南北荘」の階段。風呂屋に行くのだろう、洗面
   器を小脇にタオルを頭に巻いた女・小林裕子が、ちょうど、降りて来る。
   指に、花をあしらった、金の指輪をしているのが見える。
   須藤「(警察手帳を見せながら)あんたミドリさん?」
   小林「ちがうわよ。」
   須藤「ここの男のヒトが結婚してるかもしれない、ミドリさんってヒトを捜
      しに来たんだけど。」
   小林が不機嫌そうに、階段の上に向って叫ぶ。
   小林「あんたー、警察のヒトがミドリさんのことをききに来たわよー。」
   半天を引っ掛けて、ポマード頭が崩れて額に髪の毛の垂れた、杉義一が降り
   て来る。
   須藤「ミドリさんに……。」
   杉 「ミドリなら死にましたよ。去年の三河島の列車事故で。」
   須藤「そうでしたか……。」
   南 「そのミドリさんって18金の指輪をしてませんでしたか?」
   杉 「(あわてて)ちょ、ちょっと、(小林に)おまえ、タバコ買って来い。」
   杉は、刑事2人を階段の裏に引っ張り込んで、小林のしていた指輪が、それ
   だと話す。死体と一緒に引取った、それを小林にプレゼントしたもの。
   ・死んだミドリは、指輪は自分で買ったと言っていた。
   杉 「このことは、キヌコには内緒に……。」
   この会話を、小林は隠れて聞いていた。
   小林「あんた!5000円も出して『おまえのために』買っただなんて……。」
   指輪を地面に叩き付けて、ケンカが始まる。
   指輪を拾い上げて、顔を見合わせる須藤と南。

    ※階段まわりの芝居シーンもロケか?後ろ姿の南のコートに、たびたびハエが止まる。

 ●7号室 夕刻
   徳衛、山麟戻る。
   ・ユキは、上野駅で知合った国民年金係の職員が、美容室を紹介した。
   ・ユキは美容室を辞めた後、35年3月に転出証明を出して、故郷の小千谷
    (新潟県)に帰ったことになっているが、実際のところはわからない。
   一方、世田谷の被害者に、電送写真で、井川が犯人かどうか面通ししてもらっ
   たところ、殺人未遂については、井川はシロだった、と神田が告げる。
   本人が自白しているのに、難航する立件作業に、ベテラン徳衛が感想を述べ
   る。
   ベテラン徳衛「変われば変わるもんだと思ってね。」
   新米大木「なにがですか?」
   徳衛「アタシみたいに戦前から捜査課でメシを食ってるとね……。昔は本人が
      『やった』と言ったら、いやおうなくクロにしたもんだけどね。」
   神田「そうだったなあ。」
   徳衛「今回だって、カワムラが『自分がやりました、どうぞ処分してくださ
      い』って言ってるのに、我々が一所懸命その決め手を探してるんだか
      ら。」
   大木、扉横の電灯のスイッチを入れながら、
   「憲法38条の精神ですね、『何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自
    白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。』(※注 同
    第3項)」
   徳衛「いや、それはアタシもそうあるべきだと思うけどね……。戦争を境に、
      捜査のやり方がガラッと変わったんだねえ。」
   徳衛が感慨にふけっているところに、須藤、南が戻ってくる。
   ・浅草署で井川に指輪を見せたところ、だいたい間違いないという。
   須藤「ところがですね、これが18金じゃないんですよ、ここんとこ見てく
      ださい。」
   堀が天眼鏡で拡大して見ると、確かに、「K18」ではなく、「KIS」と
   刻まれていた。
   南 「キスなんですよ。」
   神田「よくあるやつだな。」
   はたして、この指輪は、井川の証言通り、ユキのしていた物と同一なのか?
   神田「ナガタくん、すまんが、カネコくんと、これから夜行で小千谷に行っ
      て──」
   実家に行って、ユキの持ち物だったか確認してくるよう、堀と山麟に指示す
   る。


 ●国電101系、川を渡る
   ※イメージカット、ガーダー橋。

    ※「夜行で行ってくれ」と神田に言われて旅立つ情景としては、不似合いな通勤電車。



[3日目/小千谷] ※結末明記  ▲プロローグ▲ ▲2日目▲
 ●雪道を行くジープ
   「新」ナンバーのジープが、堀と山麟を乗せて走る。空はどんよりと曇って
   いる。
 ●駐在所
   オーバーを着た駐在・相馬剛三が、駐在所の外まで出て迎える。
   妻に行って来ると言ってジープに乗込む。
   相馬「(運転する警官に)片貝、知ってんな?」

 ●ユキの実家  ※千曲川畔
   黒く蛇行する千曲川に沿って走るジープ。川以外は一面、雪化粧。
   ユキの実家、岸輝子の家を、訪ねる駐在と警視庁刑事。
   相馬「いやあ、今日はバカ寒いねえ。」
   岸 「あんれー、チューゼエさん。」
   相馬「カカァ、元気に工場(こうば)さ通ってるかい?」
   東京から刑事が、ユキのことでやって来た、と告げる。
   山麟「大変申し上げにくいんですが、ユキさんがさきおととしの迷宮入り事
      件の被害者の可能性が出ていまして……。」
   岸 「えー、じゃあユキが誰かに殺されたって言うんですか!」
   堀 「いや、まだそうハッキリとは。」
   ・ユキは、上京後、転出証明を送り返したきり、音沙汰がない。
   ・ユキには、右側頭部に、子供の頃、石をぶつけられた傷がある。
   母親・岸に、例の指輪を見せる。
   岸 「あー、これはユキが坊っちゃんからもらった18金の指輪でねえです
      か。」
   堀 「坊っちゃん?」
   岸 「チューザイさん、アンタも知ってんな。」
   岸に代わって説明する。
   ・東京の大学から夏休みに帰郷していた町長の子息と、ユキは恋仲になり、
    将来を約したか、指輪を贈られた。
    それが人々の噂になると、ユキには服役中の父親がいたため、「坊っちゃ
    ん」の一家・親戚中から反対になり、2人の中は裂かれた。傷心のユキは、
    正月に、後を追って上京したが、冷たくされたという。
   岸 「まちげえねえす、ここに、ユキがくやしがって、ずっぺた(地べた)さ
      叩きつけた時の傷があるす。」
   山麟「でもこれ、ニセもんなんですよ。」
   偽物ときいて、岸は、坊っちゃんがそんな物を贈るわけがない、と否定。
   駐在・相馬によれば、坊っちゃん、ヨシジマは、大学卒業後、「高の井酒造」
   の娘と結婚、現在はそこの専務をしている。
   相馬「地元の財閥ですわ。」

 ●「高の井酒造」
   上越線沿いに建つ「高の井酒造株式会社」。神楽の笛が響き、酒蔵の儀式の
   日の模様。雪が散らつきだしている。
   駐在・相馬が紋付袴姿の若旦那・今井健二を紹介する。

    ※冒頭に画面の右手に走って来る電車が155系。修学旅行用電車をオフシーズンに転用した
     スキー臨時列車。運転日から考えると、ロケは1月中旬以降。

 ●「高の井酒造」応接間
   腰掛けるなり、指輪を今井に見せる。
   今井「こんな古いものをどうしてまた?」
   堀 「これは、あなたがキノシタユキさんにあげたものですか?」
   今井「そうです。ボクも若かったんですねえ……。」
   ここで、法被を着た女性社員が、湯のみを持って来る。
   今井「まあ、お茶代わりにどうぞ。」
   すぐに酒と気づいて、顔を見合わせる堀と山麟。
   山麟が指輪は18金ではなくてニセモノだと言うと「ええ」と、今井も肯定
   する。
   今井「言わば、ボクの若気の過ちです。東京に訪ねて来た時も、はっきり、
      許婚者(いいなづけ)が決まったと言ってやったんですが……。」
   堀 「ユキさんは。これがニセモノって知ってたんですかね?」
   今井「さあ、知らなかったと思いますよ。わざわざニセモノだというほどの
      こともなかったですからね。」
   堀 「なるほど。」
   今井「ところで、ユキがどうかしたんですか?」
   山麟「実は、今のあなたの証言で、ユキさんが殺されたことが確認されまし
      た。」
   驚いて言葉も出ない今井。里神楽の音が大きく響く。

 ●「高の井酒造」外
   雪の積もった建物の前庭、里神楽に合わせて、角兵衛獅子が舞われている。

 ●ユキの実家  ※千曲川畔
   ソリを家にたてかける岸、遠くを眺める。(セリフなし)

 ●7号室
   ほほえむ女性の顔写真、ユキの生前のスナップが映る。
   手錠をかけられた井川が、連れてこられる。
   井川「オレがユキをやったと認めてくれたんですか?」
   堀 「それは今日のキミの次第だ。」
   数枚の女性の写真から、井川にユキの写真を選ばせる。
   1枚の写真を手に取って、井川がつぶやく。
   「ユキ……。」

[エピローグ]オートレース場裏  ※ロケ地は川口オート
   殺風景なオートレース場裏。スタンドの反対側だが、柵らしきものもない。
   背後には、NHKの鉄塔があるだけ、荒れ地が広がる。
   神田と南、それにおそらく所轄の刑事が、井川を連れて、実況検分。当時と
   は風景が、ずいぶん変わっている様子。
   井川「あのへんに納屋があって……。」
   刑事「うん、あった。」
   四角い、井戸らしき囲いにたどり着く。
   井川が井戸の縁に手をついて底をのぞくと、手で払われた土くれが、井戸の
   底に落ちる。
   ポチャン、と水の音がする。驚く井川。
   南 「空井戸じゃない……。」
   刑事「土地の老人たちは、被害者が成仏できずに、その呪い涙がたまって水
   が沸いたなんて言ってますがね。」
   井川が涙を浮かべて、井戸の底に向かって叫ぶ。
   「ユキーッ!」
   感に打たれたか、その様子をじっと見つめる南。その肩をポンポンと叩いて
   促す神田。
   井川の声をかき消すように、オートレースの爆音が響く。
   クレーンアップ、ダートコースを疾走するオートバイ。
   哀しい主題曲。
   エンドマーク「終」○C1963

  
▲▲ページ冒頭▲▲ ▲捜査の行方の冒頭▲ ▲キャスト▲

【101】〜
【100】君も出世ができる(1964)
【99】父子草(1967)
【98】地方記者(1962)
【97】花のお江戸の法界坊(1965)
【96】童貞先生行状記(1957)
【95】駅 STATION(1981)
【94】大いなる驀進(1960)
【93】三十六人の乗客(1957)
【92】高度7000米 恐怖の四時間(1959)
【91】キングコング対ゴジラ(1962)
【90】かも(1965)
【89】警視庁物語 ウラ付け捜査(1963)
【88】拳銃0号(1959)
【87】希望の乙女(1958)
【86】旅情(1959)
【85】人間に賭けるな(1964)
【84】日本暴力列島 京阪神殺しの軍団(1975)
【83】東京湾(1962)
【82】野獣狩り(1973)
【81】ひとりぼっちの二人だが(1962)
【80】ギャング同盟(1963)
【79】明日は月給日(1952)
【78】もぐら横丁(1953)
【77】好人物の夫婦(1956)
【76】愛情の都(1958)
【75】警視庁物語 行方不明(1964)
【74】喜劇 男の泣きどころ(1973)
【73】橋(1959)
【72】東京の恋人(1952)
【71】特急三百哩(1928)
【70】アリバイ(1963)
【69】私は負けない(1966)
【68】月曜日のユカ(1964)
【67】おんなの細道 濡れた海峡(1980)
【66】続・酔いどれ博士(1966)
【65】ダニ(1965)
【64】硝子のジョニー 野獣のように見えて(1962日活)
【63】誘惑(1957)
【62】集金旅行(1957)
【61】ゴジラ(1954)
【60】閉店時間(1962)
【59】山鳩(1957)
【58】次郎長社長と石松社員(1961)
【57】サザエさんの青春(1957)
【56】背後の人(1965)
【55】重役の椅子(1958)
【54】川のある下町の話(1955)
【53】泣いて笑った花嫁(1962)
【52】はだしの花嫁(1962)
【51】のれんと花嫁(1961)
【50】ふりむいた花嫁(1961)
【49】わたしの凡てを(1954)
【48】愛人(1953)
【47】花嫁のおのろけ(1957)
【46】恋人(1951)
【45】33号車応答なし(1955)
【44】真田風雲録(1963)
【43】嵐を呼ぶ楽団(1960)
【42】サラリーマン目白三平 うちの女房(1957)
【41】人形佐七捕物帖 めくら狼(1955)
【40】流れる(1956)
【39】結婚のすべて(1958)
【38】踊りたい夜(1963)
【37】風流温泉日記(1958)
【36】喧嘩鴛鴦(1956)
【35】早射ち野郎(1961)
【34】香華(こうげ 1964)
【33】その壁を砕け(1959)
【32】おかあさん(1952)
【31】愛染かつら 総集篇(1938・39)
【30】赤い鷹(1965)
【29】人間狩り(1962)
【28】[シリーズ]事件記者(1959〜1962)
【27】地図のない町(1960)
【26】黒い画集 あるサラリーマンの証言(1960)
【25】吹けよ春風(1953)
【24】彼奴を逃がすな(きゃつをにがすな 1956)
【23】我が家は楽し(1951)
【22】花ひらく娘たち(1969)
【21】麦秋(1951)
【20】浮草(1959)
【19】鉄砲玉の美学(1973)
【18】最後の切札(1960)
【17】黄色いさくらんぼ(1960)
【16】空の大怪獣 ラドン(1956)
【15】涙を、獅子のたて髪に(1962)
【14】特急にっぽん(1961)
【13】時をかける少女(1983)
【12】幸福の黄色いハンカチ(1977)
【11】お国と五平(1952東宝)
【10】可愛いめんどりが歌った(1961)/夢でありたい(1962)
【09】充たされた生活(1962)
【08】人間蒸発(1967)
【07】若い樹(1956)
【06】こだまは呼んでいる(1959)
【05】抱かれた花嫁(1957)
【04】新・事件記者 殺意の丘(1966)
【03】空かける花嫁(1959)
【02】現代っ子(1963)
【01】七人の刑事 終着駅の女(1965)



  
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