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【44】真田風雲録(1963東映京都)監督;加藤泰  →【45】 →【43】
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  痛快戦国ミュージカル。
  公開当時、マジメな時代劇を期待して行った観客に総スカンを食ったという。
  元々、芝居の戯曲だったこともあり、1960年代の風俗を取入れ、マンガチッ
  クな演出、赤いマフラーなびかせる「真田十勇士」である。
  哀しさと空しさをはらんだ荘厳な、時代劇らしい主題曲。
  一方、ディキシーランドジャズ調で、高揚感あふれる「真田隊軍歌」。
  混沌の時代から太平の世の中へ、時代の流れに取り残されたあぶれもの達が、
  かっこよく、自分の生きた証を残そうとする。
  「レツを組んで」も、どこかさみし気に、孤独感を漂わせる登場人物達は、
  加藤泰おなじみの世界。
  大坂の陣という滑稽な出来レースを、これでもかと馬鹿馬鹿しく、あの手こ
  の手を使って描いた、──いささか毛色は変わっているが──娯楽作品であ
  る。
  
  

 キャスト →歌詞集 →セリフ集
  
  
 【キャスト】

中村錦之助……“猿飛佐助” 離れ猿の佐助
       生まれてすぐ、イン石の放射能で、人にはない能力を身につける。
       人の心を読んだり、消えたり、宙に浮いたりという能力が、気味悪
       がられて、小さい頃から一人で生きて生きた。
       関ヶ原での少年佐助役は、住田知仁(風間杜夫)。
渡辺美佐子……“お霧、後の霧隠才蔵” 関ヶ原孤児・むささびのお霧
       子供の頃から「匂いに強えんだ。」
       関ヶ原での短い遭遇以来、佐助=錦之助を慕い続けていた。
       真田隊参加後は、ミニスカート風着物に網タイツ。
       関ヶ原での少女お霧役は、おそらく岡田由起子。
ジェリー・藤尾……“六、後の海野六郎” 関ヶ原孤児・かわうその六
       お霧・美佐子に惚れている。
       関ヶ原での少年六役は、桜井基男。
大前鈞…………“清次、後の三好清海入道” 関ヶ原孤児・ズクニュウの清次(せいじ)
       「オレは考えた、これが最後の機会なんじゃないかと。」
常田富士男……“伊三、後の三好伊佐入道” 関ヶ原孤児・どもりの伊三(いさ)
       清次の弟。賭け好き。吃音、十円ハゲ。
米倉斎加年………“根津甚八” 関ヶ原孤児?
       「根津甚八参加ーッ!」
春日俊二………“筧十蔵” 関ヶ原落武者、当時19歳。孤児達に加わる。
       「関ヶ原からの十四年、オレは何者でもなかった。」
ミッキー・カーチス…“由利鎌之助” ギタール抱えた洋装の瓦版読み
       「あたしゃね、この大坂の戦いを本にしようと思ってるんです。」
河原崎長一郎……“穴山小助” 幸村の小姓
岡村春彦(プレスシートによる)………“望月六郎” 幸村の部下
千秋実………“真田幸村”
       勝ち目のない戦と知りつつ、自らのカッコいい死に際を求めて、大
       坂へ。飄々と悠揚にふるまう知将。


佐藤慶…………“大阪城執権 大野修理亮治長(しゅりのすけはるなが)”
       沈着冷静に、組織のまとめ役をこなす。
       あまりの沈着ぶりに、佐助=錦之助にも心が読めない。
水木襄…………“豊臣秀頼”
       「母さんは黙って……。」
       あやとりに興じるバカ殿に見えて、冷静に自分の立場と情勢を達観
       していた。
本間千代子……“千姫” 秀頼正室、将軍秀忠の娘
       ドライな現代娘でありながら、古風なところも見せる。
花柳小菊………“淀君” 秀頼=水木の母、秀吉未亡人
       「あたくしはね──。」白塗り高眉お歯黒
小川虎之介……“重役 大野道犬” 治長=佐藤慶の父 有楽斎=明石と老害コンビ
明石潮…………“重役 織田有楽斎”  徳川方との和議に暗躍する中核、後に寝返る

大村文武………“木村重成” 豊臣方に参集した武将の中心の一人、ほのぼのしている
阿部九州男……“後藤又兵衛基次” 豊臣方に参集した武将の中心の一人、直情的

原田甲子郎……“服部半蔵” 徳川方忍者頭領 戦うことを宿命とする
       一部資料で、平幹二朗とあるは誤り。

田中邦衛………“坂崎出羽守直盛” 千姫を捜しに来た徳川方武将
汐路章…………水没する徳川方武将、ギターの音に操られ、川へ「無念じゃ……。」


 【歌詞集】

“真田隊軍歌”
(っわっわっわっわ、ずんぱぱ!)
♪織田信長の謡いけり
 人間わずか五十年
 夢まぼろしのごとくなり
 かどうだか しっちゃいないけど
 やりてえことをやりてえな
 てんでカッコよく死にてえな
 人間わずか五十年 てんでカッコよく死にてえな



♪生まるるも、育ちも知らぬ人の子を
 愛しと思うは、何の因果か


♪ただ人を見たら鬼と思え
 鬼を見たら吾と思え
 昨日の友は今日の敵ぞ
 昨日の敵も今日の敵ぞ
 股から覗けば天地は逆さ
 にっこり笑って酒(しゅ)を注さん


♪四海波平(しかいなみたい)らかに
 君には忠義
 親には孝行 夫婦相和(あいわ)し
 世は事もなし これぞしあわせ
 これぞ人生 まことの正義
(※以下まだ続く)

♪みんな素敵なヤツだった ひとくせあったヤツだった
 音に聞こえた十勇士 その名も真田十勇士
 関ヶ原では知らなんだ 籠城前にも知らなんだ
 若い仲間と俺達が こんなになるとは知らなんだ
 こんなになるとは知らなんだ
 (※2番あり   仲間の顔が目に浮かぶ)


♪生きるか死ぬか 問題なら
 ひとりかみんなか 問題だ
 ひとりにならなきゃ 一緒にゃなれぬ
 (※以下続く)



 【セリフ集】

 「ほォオ、ゲジゲジがチョウチョになりやがった。」

 “イン石の放射能が
  乳児の佐助の体に
  作用した。”

 “し、しびれるゥ”

 「諸君を、これからタイホします。」
 「幸村さんに賛成!」
 「お嫁さんもらおうかしら。」

 「いいかい、人の心は変わるもんなんだ──。」

 「あたくしはね……。」「お母さんは黙って!」

 「アタリが前なら、近所はトナリ。」
 「アタシ、調子狂っちゃった。」
 「言っちゃ悪いけど、捨てられたのね、アンタ。」


 「また会えるんじゃないかなァ、ふらふら歩いてっといつか。
  会えるような気がしてきたなァ。」






【101】〜
【100】君も出世ができる(1964)
【99】父子草(1967)
【98】地方記者(1962)
【97】花のお江戸の法界坊(1965)
【96】童貞先生行状記(1957)
【95】駅 STATION(1981)
【94】大いなる驀進(1960)
【93】三十六人の乗客(1957)
【92】高度7000米 恐怖の四時間(1959)
【91】キングコング対ゴジラ(1962)
【90】かも(1965)
【89】警視庁物語 ウラ付け捜査(1963)
【88】拳銃0号(1959)
【87】希望の乙女(1958)
【86】旅情(1959)
【85】人間に賭けるな(1964)
【84】日本暴力列島 京阪神殺しの軍団(1975)
【83】東京湾(1962)
【82】野獣狩り(1973)
【81】ひとりぼっちの二人だが(1962)
【80】ギャング同盟(1963)
【79】明日は月給日(1952)
【78】もぐら横丁(1953)
【77】好人物の夫婦(1956)
【76】愛情の都(1958)
【75】警視庁物語 行方不明(1964)
【74】喜劇 男の泣きどころ(1973)
【73】橋(1959)
【72】東京の恋人(1952)
【71】特急三百哩(1928)
【70】アリバイ(1963)
【69】私は負けない(1966)
【68】月曜日のユカ(1964)
【67】おんなの細道 濡れた海峡(1980)
【66】続・酔いどれ博士(1966)
【65】ダニ(1965)
【64】硝子のジョニー 野獣のように見えて(1962日活)
【63】誘惑(1957)
【62】集金旅行(1957)
【61】ゴジラ(1954)
【60】閉店時間(1962)
【59】山鳩(1957)
【58】次郎長社長と石松社員(1961)
【57】サザエさんの青春(1957)
【56】背後の人(1965)
【55】重役の椅子(1958)
【54】川のある下町の話(1955)
【53】泣いて笑った花嫁(1962)
【52】はだしの花嫁(1962)
【51】のれんと花嫁(1961)
【50】ふりむいた花嫁(1961)
【49】わたしの凡てを(1954)
【48】愛人(1953)
【47】花嫁のおのろけ(1957)
【46】恋人(1951)
【45】33号車応答なし(1955)
【44】真田風雲録(1963)
【43】嵐を呼ぶ楽団(1960)
【42】サラリーマン目白三平 うちの女房(1957)
【41】人形佐七捕物帖 めくら狼(1955)
【40】流れる(1956)
【39】結婚のすべて(1958)
【38】踊りたい夜(1963)
【37】風流温泉日記(1958)
【36】喧嘩鴛鴦(1956)
【35】早射ち野郎(1961)
【34】香華(こうげ 1964)
【33】その壁を砕け(1959)
【32】おかあさん(1952)
【31】愛染かつら 総集篇(1938・39)
【30】赤い鷹(1965)
【29】人間狩り(1962)
【28】[シリーズ]事件記者(1959〜1962)
【27】地図のない町(1960)
【26】黒い画集 あるサラリーマンの証言(1960)
【25】吹けよ春風(1953)
【24】彼奴を逃がすな(きゃつをにがすな 1956)
【23】我が家は楽し(1951)
【22】花ひらく娘たち(1969)
【21】麦秋(1951)
【20】浮草(1959)
【19】鉄砲玉の美学(1973)
【18】最後の切札(1960)
【17】黄色いさくらんぼ(1960)
【16】空の大怪獣 ラドン(1956)
【15】涙を、獅子のたて髪に(1962)
【14】特急にっぽん(1961)
【13】時をかける少女(1983)
【12】幸福の黄色いハンカチ(1977)
【11】お国と五平(1952東宝)
【10】可愛いめんどりが歌った(1961)/夢でありたい(1962)
【09】充たされた生活(1962)
【08】人間蒸発(1967)
【07】若い樹(1956)
【06】こだまは呼んでいる(1959)
【05】抱かれた花嫁(1957)
【04】新・事件記者 殺意の丘(1966)
【03】空かける花嫁(1959)
【02】現代っ子(1963)
【01】七人の刑事 終着駅の女(1965)





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