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【97】花のお江戸の法界坊(1965東京映画)監督;久松静児  →【98】 →【96】

 久松静児+小国英雄+フランキー堺、でマゲ物コメディ。
 松竹から岡田茉莉子榊ひろみ。二枚目、平幹二朗
 ぐるぐるっとかきまぜて、久松監督の遺作は、傑作娯楽映画となった。コメディ
部分のキレが良くて、シリアスな芝居とのコンビネーションが絶妙。
 役者それぞれが、適所できっちり仕事をして、きれいにまとまっているのだ。

 音楽は広瀬健次郎、和物も器用にこなす。

 フランキーの動きの洒脱さは、前年の「君も出世ができる」(1964東宝/監督
;須川栄三)をしのぐ勢いだ。ともすればクサすぎる伴淳三郎も、本作ではテンポ
良いコメディアンぶりである。
 ヨシダのバカ殿・三木のり平は顔芸をおさえて、なお面白い。有島一郎ファンに
は、もの足りないが、まあ、ここでは我慢しよう。だいたい、コメディアン達が、
それぞれ面白いことをやろうとすると、映画はつまらなくなるのである。
 そして、画面をぎゅっと引き締め続ける山茶花究、今回の殊勲賞。

 さて、岡田茉莉子奪還と、百万両の奪取をせんと、向島、二本榎の化け物屋敷へ
乗込む、「掃溜め長屋」連中。
 有島一郎、田崎潤、太宰久雄と山田吾一のコンビ、それに控え目だが、「和っちゃ
ん先生」こと泉和助が、抜擢されてついて来ている。

 【キャスト】

フランキー堺…願人坊主・法界坊  法界寺鐘つき堂勧進を求めて江戸へ。女好き。
岡田茉莉子【松竹】…待合茶屋女中おきく  掃溜め長屋住人。威勢のいい町娘。
平幹二朗………義賊キネズミ小僧、飾り職人タキチ  岡田の兄、元・目明し。
榊ひろみ【松竹】…永楽屋の娘おくみ  裕福な育ちだが気立てがいい。
淡路恵子………女スリ・おぎん  おなじみ。
伴淳三郎………永楽屋主人  耳が遠いが「つんぼ」は聞こえる。
山茶花究………浪人・アオヤマキヘイジ  怖い悪役。
三木のり平……旗本ヨシダヨウノスケ  榊の許嫁者。

有島一郎………易者キュウサイ  掃溜め長屋住人。本人曰く、あまり当らない。
田崎潤…………大道芸人・松井玄水  掃溜め長屋住人。ガマの油売り?
太宰久雄………籠かき  掃溜め長屋住人。吾一と、フランキーの隣に住む。
山田吾一………籠かき、太宰の相棒  掃溜め長屋住人、2人とも典型的な雲助。
泉和助…………飴売り  掃溜め長屋住人。装束からすると飴売り。
谷晃……………「ブタ」呼ばわりされる琵琶弾き  掃溜め長屋住人。
沢村いき雄……掃溜め長屋住人  差配人的存在か?
菅井きん……取上げ婆・おく満  掃溜め長屋住人
中村是好……居酒屋「上州屋」  掃溜め長屋木戸の向いにある、長屋の溜り場。

立原博…………永楽屋番頭  榊をモノにしようと画策。何者かに殺害される。
星十郎…………目明し・「今戸の」ブヘイ  ※東映時代劇でおなじみの役者
羽柴久(どんぐり三太)…下っ引・ハチ  星十郎の手下。

榎本健一【特別出演】…法界寺のお上人

 よく観たら、掃溜め長屋の突当りに「桶八」。これは「幽霊繁盛記」(1960/
監督;佐伯幸三)の、主役フランキーの葬儀屋。同作で大村千吉が演じた二八そば
の屋台が、それと同じく、桶八の向いに置いてあった。味なことをするものだ。


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